当時小学生の私に初めてのアーケードゲームを教えてくれた『TSUTAYA石神井台店』が長年の歴史に幕を下ろしつい先月に閉店となりました。
今や本も音楽もゲームもダウンロード販売が普及している世の中です。
自分自身もめっきりTSUTAYAに寄らなくなっており、閉店を知ったのもつい最近の事でした。
今ではほとんど見かけませんが、玩具屋やゲームショップの店内などにアーケードゲームの筐体が置いてあるという事が20年以上前には割とありました。
地元で知っているだけでも保谷駅のいすずや(閉店。現在はポポラマーマ)、石神井公園駅のジー・ファン石神井公園店などにはゲームコーナーがあったのです。
このTSUTAYA石神井台店も、テレビゲーム棚の奥にゲームコーナーが設置されており、アーケードゲーム筐体が幾つか設置されていました。
アーケードゲームプレイのキッカケは普通のテレビゲーム雑誌と間違えて買ったゲーメストで、特集が組まれていたKOF97を見て「ウオ~やってみてえ~」と思いを抱いたこと。
そして近所に開店したこのTSUTAYA石神井台店に行ってみたところあるじゃありませんか、KOF97が。
というのが自分のゲーセン通いの始まりだったのです。
わずかなお小遣いと、年始のお年玉をKOF97に注ぎ込んで没頭する日々。
今でも忘れないのが大学生くらいのお兄さんに乱入されて手も足も出ないほどにボコボコにされたことです。
途中で明らかに手加減していたフシがあり、一発だけ僕が使っていたキャラである山崎の超必殺技『ドリル』を(多分)わざと喰らってくれました。
その後はもう一切相手に触れられないくらいにコテンパンに叩きのめされたんですが、対戦後に「山崎のドリルは連打するとダメージが変わるよ」と一言アドバイスを貰いました。
ゲーセンで対戦相手と喋った事は人生でこれが初めてで、なんかこの経験がずっと心に残っているんですよ、今でも。年齢なんて関係なく容赦なく勝負の土俵でボコボコにされたというこの体験。本来ならば小学生にとって大事な大事な1プレイ50円分を消し飛ばされたわけで悲しい出来事のハズなんですよ。でもなぜか『情け無用の勝負の世界』を経験してちょっと嬉しく感じたのを覚えています。
このTSUTAYAのゲームコーナーはすぐに卒業し、東伏見駅のゲームセンター悟空に通う事になってからは、そこまでこの店を利用する事はありませんでした。
3年前に喧嘩稼業13巻を買いにいったのが最後の利用となったこのTSUTAYA、人生初の思い出の地となる場所が無くなってしまう事にただただ寂しさを覚えるばかりです。
だからこそ、『さようなら』が増えてきた今、これからも多くの『初めまして』を体験していかなければならないな、とも思うのです。