2021年2月24日に満を持してリリースされたゲームアプリ『ウマ娘 プリティーダービー』。
リリース開始と同時にそのクオリティから大きな話題を呼び、私の周りでも日夜多くのプレイヤーがトレーナーとしてウマ娘たちの育成に励む本作に、私はあるゲームとの多くの共通点を見出した。
そのゲームとは、アニメ映画『機動警察パトレイバー the Movie』『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』など数々の有名作品を手掛けてきた巨匠『押井守』氏がディレクターを務めた『サンサーラ・ナーガ2』である。
本日はウマ娘 プリティーダービーが1994年にビクターエンタテインメントから発売されたスーパーファミコンソフト、サンサーラ・ナーガ2の生まれ変わりであるという驚愕の新説をお伝えしようと思う。
※本記事には『サンサーラ・ナーガ2』のネタバレが含まれています。
◆根拠1 かつて私はあなたでした。
サンサーラ・ナーガ2は古代インドに着想を得ており重要な語句のほとんどがサンスクリット語から取られている。とりわけ物語の骨子となる最重要ワードがインド哲学、仏教思想においても馴染み深い『輪廻転生』である。
輪廻転生とは命あるものが生と死を繰り返し絶え間ない無限の生まれ変わりを繰り返す事であるが、サンサーラ・ナーガ2の登場人物も輪廻転生の鎖に囚われている。
本作のエンディングではゲームスタートの場所へと時間が戻り、パートナーの白竜が主人公に、主人公が白竜の名前へと入れ替わる。町の人々は口を揃えて「かつて私はお前だったかもしれない」「私の前世は竜で、名前は○○○○(主人公が名付けた子竜と同じ)だった」ということを言う。
上記を踏まえてこちらのサクラバクシンオーの画像をご覧頂きたい。
これもう答えだな(確信)。
トレーナーはどこかの世界ではサクラバクシンオーとしてトゥインクルシリーズを駆け抜け、そのときサクラバクシンオーは彼(彼女)のトレーナーだった。サクラバクシンオーは前世の記憶を継承していたのだ。ハッキリいってこれでもうウマ娘 プリティーダービーはサンサーラ・ナーガ2である事が証明されたといっても過言ではないのだが、更に根拠を複数提示することでこの説の真実を強固なものとしたい。
◆根拠2 繰り返される世界
ウマ娘 プリティーダービーでは育成モードにてウマ娘を育て、モードクリア時にランダムで付与される『因子』と呼ばれるステータスを確保するのが肝要となる。それはもちろん遊び方の一つに過ぎないのだが、因子抽選の仕組みや、強力な因子が付いたウマ娘のフレンド貸し出しに、多くの関心が寄せられている事から、ゲーム性の中心を担う要素である事に違いはないだろう。
こちらが私の直近のウマ娘一覧である。一覧がこのようになっているプレイヤーは少なくないハズだ。狙った『因子』を手に入れるため、同じウマ娘と幾度となく同じ時間を、空間を、世界を共にしている。繰り返される初対面の挨拶……何度も聞いた3年間を過ごした日々への感謝の言葉……。トレーナーもウマ娘もサンサーラ・ナーガ2のメインテーマである『輪廻転生』の呪縛の内にいるのだ。
◆根拠3 因子
前述の『因子』は4種類に分かれている。
基礎的なステータスに関与する青因子。
距離適性や脚質に影響を与える赤因子。
ウマ娘毎の固有スキルを発現させる緑因子。
汎用スキルやレース名を冠する因子が分類される白因子。
これらの因子の色を見た時、私は愕然とせざるを得なかった。
▲サンサーラ・ナーガ1x2 公式サイトより。
そう、サンサーラ・ナーガ2におけるパートナーの竜たちと色が完全に一致しているのだ。色合いが同じなだけではない。基礎ステータスを底上げする青因子はブレスやマントラ(呪文)を使えない代わりに基礎ステータスで相手をぶん殴る蒼竜に。距離適性と脚質によりステータス外の要素を補強する赤因子は能力値に優れていないものの多様なブレスで戦局に貢献する紅竜に。ウマ娘によって千差万別のユニークスキルを継承させる緑因子は他の竜が真似できない唯一無二のマントラを扱う緑竜に。レースの名を冠する白因子は、上述の竜たちの産みの親(=レース即ち競馬がなければウマ娘というコンテンツも産まれなかった)である白竜に。それぞれ完全に対応しているというのだから驚きを禁じ得ない。
◆根拠4 ゴルシとはらたまと過去
その破天荒な性格で常にトンチキダービーの最前線を走り抜けている事で話題のウマ娘、『ゴールドシップ』の育成イベントの一つ『ゴルシの!いきなり過去編!』を紹介しよう。
これは育成モードにてウマ娘『ゴールドシップ』の担当になる事を選択すると一定確率で見ることが出来るイベントだ。ある日ラーメン屋に入ったトレーナーは『ゴールドシップ』がアルバイトをしているところに鉢合わせる。
そこで彼女の口から語られたのは「束縛された将来への苦悩を一杯のラーメンで諭してくれたウマ娘がいた」という話。
いつも彼女がする話のように、真実か分からない支離滅裂で適当な作り話かと思いきや後日、彼女の生き様を見守っていると書かれた匿名のファンレターが届き……というなんとも妙味のあるイベントである。
さて輪廻転生を主題として説いてきたからにはもうお分かりだろう。
『ゴールドシップ』に一杯のラーメンを差し出したのはかつて走ることに夢破れた記憶を持つ前世の『ゴールドシップ』であるのは明らかである。差し出されたのがラーメン=麺類であることからサンサーラ・ナーガ2に登場する立ち食い蕎麦チェーン店『はらたま』を想起させるのも見逃せない点だ。
◆終わりに
ここまでに複数の根拠を提示してきた。
その他にも、サンサーラ・ナーガ2において竜使いが使役できるのは全てメスの竜であるという設定と実在の競走馬が全て女性化したウマ娘世界の共通点や、桐生院トレーナーとハッピーミークにおけるアムリタとカオスドラゴンの類似性、目覚まし時計を使用することによる世界のリセットと階層世界崩壊の関係……等々、まだまだ語り足りないのだが、こんなモン書いてる暇があるなら1秒でも多くモンハンライズをやりたいのでサンサーラ・ナーガ3そろそろ出ないかなと願いながらこのあたりでこの説の締めくくりとしたい。