生まれてこのかた僕は爪を切ったことがない。
と言っても僕の爪は想像を絶するほど短い。
ありていに言えば不衛生ではあるのだが僕は自分で自分の爪を食っちゃう癖があるのだ。
ほぼ無意識に、気がついてたら齧ってる。
そんな感じに。
10年以上この癖を続けている。
齧るときは人目をはばんではいるものの、どこに人の目があるかわからないわけですよね。
とにかくこの癖は不衛生だと思う。
爪かじった手でバスのつり革とか触るなよ、って大抵の人が思うだろう。
なので
やめることにしました。
という事で爪をかじらずにとうとう一週間を迎えましたが
今まで10年間以上ほぼ無意識に続けてきた「癖」を己の意思で抑制するというのは
思っていたより簡単ではなくそれこそ地獄のようです。
僕にとって爪が食えないということは空腹の極みにありながら
目の前にぶらついた極上ステーキが食えないのとほぼ同じ意味となります。
さながら餓鬼道に落ちた亡者のようですよ。
食いたいでも食えない。
プロ野球選手が突如選手生命を絶たれたらこんな気持ちでしょうか。
ボクシングを取り上げられた矢吹ジョーもこんな気持ちでしょうか。
禁酒法が制定されたと知ったアル中も恐らくこんな気持ちでしょう。
ブライト「ガンダムはハヤトに譲った。次からはお前はボールで出撃だ」
と言われたらアムロもこんな気持ちだと思います。
…いい感じに白い部分が伸びてきたなんとも美味しそうなこの爪を前にひたすら耐え抜く。
地獄だ、地獄だ、我思う、これ地獄なり。
関東大崩壊まで後7日
畜生…爪がくいてえなぁ…
そんな爪のお話でした。
マジ気で癖を直そうとするのは、本当に難しいものです。
(追伸。この癖、案外早く治りました)