Amazonプライムビデオでレンタル99円だった『ノーカントリー』を観ました。
おうちで映画を楽しめるのは本当に良い時代ですわね。
暴力と運命の交差点で、殺し屋シガーが踊り狂う!
まるでこの作品は荒野に舞う、死神のタンゴだ。荒涼とした砂漠、乾いた風、そして血の匂い。たまんねぇ~。映画『ノーカントリー』は、暴力と運命が交錯する狂騒曲そのものである。主人公の一人(なのか?と思ってしまうのは後述のシガーのキャラがあまりにも立っているから)モスは、麻薬取引の現場で偶然大金を手に入れる。しかし、その金は彼を地獄へと引きずり込む。冷酷非情な殺し屋シガーが、モスを容赦なく付け狙い、その道中でも次々と命を刈り取っていく。
この映画の真骨頂は、ハビエル・バルデム演じるアントン・シガーだ。
見てくれ。このなんとも言えないおかっぱライクな髪型。
とても殺し屋には見えないが、だからこそギャップが恐怖に繋がっている。
彼は死神のような存在感で、観客を恐怖と興奮の渦に巻き込む。無機質な表情、不気味な笑み、そして圧倒的な殺戮テクニック。彼の象徴的な武器「キャトルガン」を用いた殺しのシーンは一度観たら忘れられない、シガーはまさに悪夢そのものだ。こんなもん翌日の夢に出るだろ。
そしてシガーは殺人鬼でありながら、どこか哲学的な側面も持ち合わせている。彼はコイン投げで命運を左右する奇人であり、その行動原理は常人には理解できない。善悪の判断を超越した存在として描かれるサイコパスであり、その存在感は凄まじい。
今まで僕がパッと思い浮かぶ『洋画のヤバいキャラ!』といえばレオンのノーマン・スタンスフィールドだったのだが
今日からはアントン・シガーもパッと出てくるようになるだろう。
彼はもしかすると今晩、僕の夢に静かに上がり込んでそこで牛乳を飲んでいるかもしれない。
脱帽しました。
凄い映画。
では本日はこの辺で。