へたれゲーム貴族の躁鬱

ゲーマーの雑文記。テキストサイト時代の生き残り。

矢吹ジョーについて。

一番好きな漫画のキャラってなんですか?


決めるのが中々難しいって人は多いんじゃないかなーと思います。
僕も好きなキャラが沢山いるんですが、一つに絞るとしたらあしたのジョーから「矢吹ジョー」を選ぶかなと。


1.【決して単体で魅力的なキャラではないと思う】
ジョーは今も尚まんが界のヒーローとして人気を誇るキャラクターです。 ジョーといえば一匹狼であり孤独なヒーローとして知られています。

共に戦ったライバル達やコーチの段平、同じジム所属の西など、仲間はいますし心が通った人物も確かに存在しています。好意を抱いてくれる女性すらいました(彼女から貰ったトマトの一列サンドを頬張り「うめえ・・・」と呟くシーンがいまだに印象的です)

ですが彼の精神性を理解できる人物は極めて少数であり(ラストシーンの葉子が一番彼の心に近づいた存在だと思います)、その中で一心に拳闘に打ち込み続ける姿勢は愚直で不器用な男の強さを感じさせると共に哀愁を誘います。このように作中では一点の曇りもない徹底したロンリーウルフぶり。

彼本人はハンサムな顔立ちではありますが、ぶっきらぼうで、社会やボクシングのルールを逸脱する描写も多く、決して本人だけを見て素晴らしいキャラクターだとは言い切れません。

ですが彼を取り巻く環境の中で、彼というキャラクターが孤独のヒーローを貫き通したからこそ、あしたのジョーという物語がまんが史に名を残す傑作となったのは疑いようのない真実であると考えています。

何のエピソードも交えずとも関心を惹く個性や設定付けがされていてしかも美形というような魅力的なキャラクターもいると思います。ですが彼というキャラクターの魅力は設定面だけにあらず、物語・ライバル・仲間、その全てがあってこそ構築されているものなんですよね。



2.【その生き様は僧の如く】
パチ屋で犯罪に手を染めて少年院に入れられたという決してスマートではない経歴の持ち主であるジョーは、天性の才と、凄味を感じさせる不断の努力(努力といってもスポ根まんがにありがちなオーバーすぎる努力をするキャラとはまた違うんですよね、味わい深い。)を武器に、ボクシング界で大成功を収めます。

WBC世界ランキング上位の地位にありながら、豪遊もせずストイックな暮らしぶり。なんか海外に行った時に外車で遊びに行ったエピソードとかは有った気がするな…まあでも基本的にはボクシングに一直線。作中でジョーが食べた一番高価な食事は金竜飛戦の前に注文した小さなステーキだと思われます。あ、しかもこのステーキ注文したけど喰ってねえや…。

人生に、色無し恋無し、情けはたまにあり。とにかくストイックな男、矢吹ジョー。

そんなジョーが唯一求めたものがこれまた堪らないのです。
彼が生涯で唯一の生き甲斐だったものとは「ほんの一瞬、眩しいほど真っ赤に燃え上がり、その後には燃えカスすら残らない」というボクシングに出会わなければ決して体験する事の無かったであろう感覚。

果たして未読の人々ですらご存じであろう結末で、ジョーは眩しいほどに燃え上がり真っ白な灰となります。

ただ一瞬の、忘我の瞬間を求めて何物にも目をくれず、最高のそれがラストシーンで成就する。


矢吹ジョー、悟りを求めて涅槃に至った高僧そのものなんですよ。




【ということで】
僕には好きな漫画のキャラが沢山います。

デカくて豪快でとにかく強いキャラの見本、ベルセルクのガッツ。
同漫画から嫌味が存分に描かれながらも人間らしさに溢れた男、コルカス。
ひたすらCOOLで超かっこよく戦闘力も高いGANTZの、ホストざむらい氷川。
弱さと強さが同居する人間味ある熟練パイロット、エリア88の風間真。

どのキャラも気分と精神テンション次第では好きな漫画キャラ一位に挙げると思います。
しかしあえて気分によらない一位の漫画キャラを選ぶとすれば、僕にとってはそれが矢吹ジョーという男なのです。