AIの台頭や目覚ましい。
かくいう僕もGeminiやGrokに趣味の書き物の文章構築を頼んだり、ChatGPTにEXCELの関数を作らせて実務をスムーズにしたりもしている。
しかしながら、ブロガーから見てAIがまだまだ到達できない場所があると思っている。
例えばAIにゲームの思い出を語らせても「あれは中1の初夏の事。装甲値をフル改造したスパロボF完の初号機で無双をしていたら、オージのパワーランチャーを喰らってクリティカルが発生、アンビリカルケーブルが外れ思わずパニックになって足をバタつかせ、テレビ台のガラス戸を破壊してしまい親から大目玉」という事は書けないのだ。
あとこれは実話。
そうだ。こういったディテールを浮かび上がらせられるのは人間だけだ。
ゲーマーブロガー諸氏、我々はまだAIに脅かされる事のない自由の空を羽ばたける。
ゲームブログだけの分野に限らない。
自分だけのディテールを刻もう。
ここまで書いて今回の記事は終わりにする予定だった。
だが果たしてAIは本当にこのようなディテールを書く事が出来ないのだろうか?
じゃあ試してみよう、試してみようじゃないか。という事で「ChatGPT」「Gemini」「Grok」のそれぞれのLLMに先程のスパロボF完の文章を読ませ「このようなゲームの思い出を書いてください。なるべくマニアックなゲームタイトルを選び、内容もひょうきんに書いてください」と頼んでみる事にする。
結果は……?
『ChatGPT作:マニアックなゲームの思い出』
「あれは高校2年の梅雨時のこと。『フロントミッション セカンド』で延々と改造を重ねたヴァンツァー『蒼雷』が、ついに重量バランスを完璧に調整した瞬間だった。調子に乗って演習モードで敵ヴァンツァーを次々に撃破していたら、イベント戦のエグゼクティブモデルがいきなり強制出現。プラズマランチャーの直撃を受け、ダメージ9999の悲劇。思わずコントローラーを投げ出した拍子に、隣にあったカップラーメンがPCエンジンDUOの上に転倒。ラーメンスープまみれで、次の日父親に『これは芸術品だったんだぞ!』と3時間説教された。」
まずゲームのチョイスは結構マル。フロントミッションセカンドがマニア向けゲームかというと全然そうでもないと言いたいところだが、今やニンテンドーDSでゲームを知った世代、下手したらSwitchが初ゲームという世代が時代の先端を往く時代だ。相対的にはなかなかマニアの領域だろう。そして内容、これは全然ダメ。フロントミッションシリーズに蒼雷なんてヴァンツァーは無いし、セカンドに演習モードもない。けれどこれは、知らない人が見たら騙せる内容にまとまっているのが非常に怖い。AI、そういうとこだぞ。
『Gemini作:マニアックなゲームの思い出』
「高1の冬、徹夜で『ファンタシースターオンライン』をプレイ中。レベル120を超えたフォースが、ダークファルス・エゴを相手に最後の切り札、イル・パルサーを放った瞬間、停電。画面が真っ暗になった途端、心臓が止まるかと思った。慌ててキャンドルを灯し、懐中電灯を照らしながら、データが無事か何度も確認。結局、数時間後に復旧し事なきを得たが、あの時の絶望感は忘れられない。」
これもゲーム選びは悪くない。ファンタシースターオンラインことPSOは多くの人にとってネトゲオタクの入口みたいなタイトルでもありますからね。レベル120を超えたフォースというのもあり得る範囲。正確にはフォースはクラスでしかないので、種族も書いて欲しいが……。そして次からは全然ダメ。ダークファルス・エゴなんてヤツはいないし、テクニックにイル・パルサーなんてのも存在していない。一応、PSO2にイル・ザンというテクニックがあるので近いところから中途半端にパクってきているのが感じられる。これも知らない人が見たら騙せる内容にまとまっているのが非常に怖い。AI、そういうとこだぞ。
では最後、Grok。
『Grok作:マニアックなゲームの思い出』
「あれは中2の秋のこと。レベルカンストした『ドラゴンクエストXI』の主人公で、魔王ゾーマのダンジョンを攻略中だった。強力な『ギガスラッシュ』でゾーマのHPを削りまくっていたところ、まさかの『メガンテ』で逆転されてしまい、思わず驚いた拍子にコントローラーを投げつけてしまい、テレビの画面に直撃。親から一週間ゲーム禁止をくらったんだけど、その翌日にはこっそり『ファイナルファンタジーXIV』のオンラインにログインして、ギルメンに泣きついたんだよね。あの時の悔しさと、ギルドマスターからの励ましの言葉、今でも忘れられない。」
こいつ、もう全てが適当。
ディテール、人間にしか書けませんという事で良い判定な気がします。
ある程度詳しい人が見たら一発で大嘘だって分かるんだよな……。
ただ詳しくない人が見たら騙せるというのは凄いし怖い。
では、今日はこのあたりで。