へたれゲーム貴族

未知の世界への鍵(ゲーム)を手に。

ゲー録395 女神転生Ⅱについて話す!

女神転生Ⅱについて喋らせろッ!】

当時、ドラクエⅣ、FFⅢ、ウィザードリィⅢと並び
四大RPGの一つと数えられたFC女神転生Ⅱ。

筆者はこの作品が女神転生シリーズで一番好きなのである。

この作品について喋る!ただ喋るぞ!


突然だがこの作品は、真・女神転生以降の作品とは決定的に違うものがある。

それは、背徳かつダークな雰囲気は作品全体で共有しているものの
そのベクトルがわずかにポジティブ、陽気ですらあるということ。
アメリカン・コミック然にも似た雰囲気である。

女神転生といえば主人公の生まれが特殊(真Ⅱ)であったり
物語の過程で数々の不幸な事件に見舞われたりする。
その悲惨な例を挙げると

・真Ⅰ=母親が悪魔によって食い殺される
・真Ⅲ=東京の殆どの人間が死滅し、自分は人間から悪魔になってしまう。
・真If=学校が魔界へ飛ばされ、生徒、教師含め全員が様々な形態で支配される
・魔神Ⅱ=両親が爆発事故で死亡、自身も過酷な戦いへ駆り出される

などなど枚挙にいとまがないほど。

陰鬱で、トラウマが残るような事件に巻き込まれるのが
女神転生の主人公の掟である。


もちろん、女神転生Ⅱの主人公にも不幸が訪れる。

とあるアイテムを手に入れるため、真実の口へ手を伸ばすが
真実の口が突如閉じて、片腕を喰いちぎられてしまうのだ!
失った腕、その出血に耐えながら(ちゃんと専用ステータス:LOSTがある)
主人公はとある技術者(というよりマッドサイエンティスト)の元を訪れる。
そこで主人公はサイバネティックアーム、要するにサイボーグ義手である
それをつけてもらう。

新たに手に入れた鋼鉄の腕。
真実の口が再び閉じようともその腕を傷つける事は出来ない。
そして念願のアイテムを手にいれることができる。

この不幸な事件に見舞われても後に残る感情としては
「お、腕がパワーアップした、ラッキー」というような感じである
実際に「つよさ」のステータスもアップしているのだ(!)

人間である自らを失い(真Ⅲ)
母親を失い(真Ⅰ)
日常を失った(真If)歴代の女神転生
主人公たちの不幸と比べると、不幸に見舞われた後のイメージが全く異なるのだ。
失った後に、手に入れたモノがあったのだ。


雰囲気の違いはそれだけではない。

FC女神転生Ⅱより増子司さんのハードロック調BGMが女神転生というシリーズに定着したのだが、初期の作曲ということも手伝って曲調もかなり大胆な感じになっている。

女神転生シリーズでは悪魔とエンカウントすると、まず「悪魔と対峙した、君はどうする?」といった雰囲気の緊張感と静寂感?のあるBGMが流れる。
FIGHT(交戦)を選んではじめて戦いの火蓋が切って落とされた感じに曲調がRPGのBATTLEミュージックへ変更するのだが、その曲調もまた女神転生Ⅱと真シリーズの女神転生では異なっている。

雰囲気でいえば、真シリーズが「降りかかる火の粉を払う為の戦い」と表現するなら
FC女神転生Ⅱの戦闘曲は「殺すか殺されるかだぜヒャッハー」といった感じである

曲名:Death Match~死闘。
特殊音源チップを用いたファミコンとは思えないほどの拡張性のある音楽。
まさにこれぞ「荒廃した世紀末のバトル」といった素晴らしい戦闘曲であり
自分の好きなRPGのバトルテーマで1,2を争うほど好きなものであります!

真シリーズ以降には中々見られない、ぶっとんだNPC達も最高にイカす。
オカマのショップ店員、やる気のないドラッグストア、荒れた世界とは関係なしに無駄にハイテンションなカジノの店員。
全体的な雰囲気そのものが、ハードロック、ハードメタルであり真シリーズと比べると確かに異質なのである。

真シリーズ以降が、背徳感やネガティブなモノを大きく押し出しているとすれば
FCⅡはそれらを内包しつつも、明るくイカした、いや、イカれた雰囲気をかもし出しているのだ。

悪魔を倒してレベルアップを図る際にも、無駄に力が入る
荒廃した東京のフィールドをうろつき、出会った悪魔にデスマッチを挑む
クチナワの剣を片手にガンを乱射しとにかく悪魔をぶっ殺す!
そんな光景が頭をよぎるような、ハイクレイジーな女神転生こそがFCⅡなのだ。


もちろん、真シリーズや外伝的作品も好きであるが
やはり作風を考えるといかにも実験的であったイカしたFCⅡが
筆者は一番好きなのである。

FCⅡは携帯アプリでも配信されておりプレイすることができるが
音源が貧弱であり、要領の関係上で削除されたBGMも多いので
あまりおすすめができない。

やはり本家の特殊音源チップを用いたFCとは思えない
広がりのあるBGMを聴いて欲しい。


と、こんなワケで熱く喋らせて頂いた。

今年10月には新作が発売されることもあり
小学生の頃から根っからのメガテニストである筆者は
「君を合体材料なんてしないよ!」と悪魔にウソをつける日が
今から待ち遠しくて仕方ないのである。

.takumayan