最近、ザ・シムズ4にハマっている。
あの「シムシティ」の生みの親、ウィル・ライト氏が手がけているザ・シムズシリーズの第4作目で、2014年から今でも愛されてる作品だ。Steamで「無料で遊べる」と出ていたので、つい手を出してみた。
さっそくニューゲームを選択して、シム(キャラクター)を作った。名前はトーマス・ブラウン。なんとなーく、アメリカの田舎町に住んでそうな、平凡だけど親しみやすい響きで決めた。トーマスは一人暮らしの男で、趣味は料理とパソコンとゲーム。放っておくとすぐパソコンに張り付いて掲示板を荒らすオタク気質なヤツ。学生時代、まだヤンチャだった僕にそっくりなところがある。

このゲームの面白いところは、シムに「これをやれ、あれをやれ」と命令を出せるのだが、出さなくても勝手に生活してくれるところ。そんなわけで基本は放置プレイ。トーマスがどういう選択をして、どう生きていくのか、神の視点からぼーっと眺めている。自分で細かく指示を出すのも悪くないけど、自由に動くトーマスを見てるほうが個人的には面白い。
それで肝心のトーマスはというと、マカロニアンドチーズを作って食べてみたり、シャワーを浴びて「気持ちいい~!」って顔してみたり、近所のシムと「今日の天気いいっすね」なんて雑談していたり。しまいにはパソコンでゲームを起動すると遊び疲れて倒れそうになるまで熱中していたり。

で、そういう何気ない日常の中で、ニコニコ笑っている。
画面の隅にはしょっちゅう「トーマスは幸せを感じています!」と表示されている。
「コイツこんなことで幸せになるのか??」と思う。マカロニアンドチーズって、アメリカではカップラーメンみたいなインスタント食品として売られているし、シャワーだって毎日浴びる当たり前のことだし、近所の兄ちゃんと立ち話したくらいで何がそんなに嬉しいんだよって。

しかし、そこでハッと立ち止まった。
「トーマスが単純すぎるんじゃなくて、僕が幸せを難しく考えすぎてるんじゃないか?」と。
SNSを開けば、今日もキラキラした人たちが「夢を掴め」「目標を追え」と熱弁を振るってる。最近は「もう頑張らなくていいよ」と優しく寄り添うインフルエンサーも増えてきたけど、どちらの言葉にもフォロワー稼ぎの打算がチラつく気がしてしまう。結局は『人生を壮大な物語にしないと幸せになれない』という空気があるような気がして、時々息苦しささえ覚える。

でもトーマスを見てると、そういうのが全部吹っ飛ぶ気がしてきた。トーマスはマカロニアンドチーズを食べて「うめぇ~」と笑ってるだけで幸せを感じている。シャワー浴びて「気持ちよくて生き返るな~」って満足している。ゲームをプレイしながら「これ楽しすぎ!」と微笑んでいる。
シンプルすぎて笑えるけど、なんかズルいくらい眩しいのだ、トーマスの笑顔が。
こいつを見ていると、幸せって実はもっと身近にあるんじゃないかって思ったりする。毎日「あれをやらなきゃ」「これを出来るようにしなきゃ」と追い立てられるけど、ちょっと立ち止まって、カップラーメンでも食べて「うまいな、これでいいや」って呟いてみればいいのかもしれない。シャワー浴びて「気持ちいいな!」って声に出してみるのもアリだし、一人でも友達とでも、とにかくダラダラ遊ぶ時間を「いや、これ最高じゃん」って心から楽しんでもいいはず。
トーマス、実は僕に「幸せってその辺に落ちてるぞ」って教えに来た天の使いだったりするのかもしれない。掲示板は荒らしているけど。
さて、トーマスはこの後どんな生活を続けていくのやら。交友関係をもっと広げて、友達たくさんの陽気なオタクにでも成長するのだろうか。それともインターネット生活を続けて、レスバの鬼としてネットの世界に君臨するのか。
まぁ、どっちにしろ、たぶんコイツは幸せそうに笑ってる。
で、結局僕も画面の前でニヤニヤしてるわけ。
トーマスと一緒に、マカロニ食べて笑う。人生案外そんなんでいいのかもしれないな。
