私はラーメンを「炭水化物」と「脂質」に富みそれ以外が不足しているため健康に良い食べ物とは思っていなくて、食べても月1程度にしている。という旨のポストをX上に行ったところ『ラーメンは薬である』とのリプライを頂き、少しやり取りを行いました。
結果として、私は「(明らかに栄養が不足しているので)厚労省が推奨する程度の野菜をトッピングするのであれば健康に良いといえるのではないか」と主張し、先方は「スープにビタミンや食物繊維が溶けているので(食事として単体で完結しているため)そのような必要はない」とのことで、話は交わる事なく終わりを迎えました。
先方がラーメンは薬であると提出したエビデンスの記事はこちらです。
news.yahoo.co.jp
まずこちらの記事の要点としては「過度に食事制限をする高齢者の低栄養に対し、ラーメンの持つ炭水化物や脂質は有用に働くため栄養満点ともいえる」
となっており、我々のような一般的な成人男性に対する内容ではないため、先方の読まれているポイントが違っているのかなと思うのですが、ラーメンのスープをテーマに栄養を考えてみるのも面白いかと思い、色々と調べ考えてみることにしました。
先方を論破するつもりや、やり込めるつもりは一切無く、あくまで自分自身の栄養学的情報の取捨選択と考えについて整理のため記しておくことにします。
まずラーメンのスープにビタミンや食物繊維が溶け込んでいるというのは真実か?について調べてみます。
結論からいうと、時間をかけて調べてみましたが優位な情報は見つかりませんでした。体に良いんです!と謳っているラーメン屋のサイトなどは見つかるものの、正確な栄養情報についての根拠が見当たりません。
本当にラーメンのスープが栄養食品であれば、容易にエビデンスが見つかるはずです。
参考までに、Quoraに投稿された豚骨スープの栄養価はリンク先を参照に。
また、みそラーメンになりますが食品成分データベース様にも情報がありました。
やはりビタミンに関しては絶無といってよい結果です。
ビタミンA、D、Eに関しては水に溶けず加熱殺菌で損失することが少ないため、これらはトッピング次第で補えるでしょう。
ビタミンB1、Cについては比較的加熱で壊れやすいので、ラーメンからの摂取はあまり現実的でないかもしれません。
(公益社団法人 日本缶詰びん詰レトルト食品協会様参考)
食物繊維もみそラーメンで100gあたり1.6gと、厚労省策定の成人男性の必要摂取量およそ20gの8%でしかない数値であり、これを食物繊維豊富と言うことはできないでしょう。
やはり、私の結論としてはラーメンは高カロリー、高脂質、高塩分、高コレステロールの食べ物であり、薬のような完全栄養食だとは思えませんでした。しかしながら、炭水化物などを鑑みるに体を動かすエネルギー源としては十分な栄養価を備えているとは思います。ビタミンやミネラルを補う他の食品を添える事で、比較的バランスの良い食事を実現する事は可能だと思います。