へたれゲーム貴族の躁鬱

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魔の研修回顧録

ぼーっと新聞読んでるとオンライン面接やらオンライン研修やらこの時勢ならではの新入社員を取り巻くリモート模様の記事を見つけました。

ああ社員研修やったなぁ……。としみじみとあの頃を思う。今日は僕が新卒で入った会社の研修模様をもう一度思い出して、仔細を改めて記してみたいと思う。

僕が受けたその研修を一言で表すなら『昭和』もしくは『魔』だと思います。


研修は在学中に行われました。2月かなんかに内定決まって、社員研修があったのが確か3月8日だか3月9日でした。もう授業らしい授業もないようなオワってる時期だったんですが、一応社員研修のため学校を休む届出を出した記憶があります。

朝早くに本社の前に集まった、僕ら新入社員同期含め4名。
出荷されるブタの如く会社のバンに詰め込まれました。

この研修施設自体の名前は全く思い出せませんが高速道路を通って1時間以上はかかっていました。雰囲気的には軽井沢っぽい感じの場所です。まじで軽井沢だったかも。

ラウンジは広くホテル然としていてなかなか小綺麗で、大きな食堂もありました。2F,3Fには共同生活のための大部屋が並び、研修用の会議室っぽい部屋が幾つかありました。
ここまで書いておいてナンですが、研修自体の内容はそれほど覚えていません。
名刺の渡し方やら、席次やらの基礎的な社会人マナー研修といった趣きが強かった気がします。

これだけなら普通の社員研修なんですが、わざわざブログに書くって事はそういうやつなんですよ。『昭和』or『魔』と前置きもした通り。

さて、研修インストラクターは社長本人が務めるようでした。新入社員一同を研修ルームに呼び出し、役員と共に堂々と並び言い放った一言が

「私は当時、研修指導員として鬼と恐れられていた」

法月のとっつぁんかな?一瞬テキストウィンドウが出てないか確認しちゃったよ。なんかのアドベンチャーゲームみたいな展開になってきました。

「そして私の研修では怪我をする者まで出たことがある。冬場は凍傷を負う者も……」

なんでマナー研修で凍傷の人間が出るんだよ。僕が新卒の時代って、ブラック企業が幅を利かせてきて「労働に関して真摯になっていかんといけなくね??」みたいな風潮がやっと出てきた頃なんですよね。今だったらこんな研修で怪我人を出す事もあるなんて言い放ったら普通に問題なんだけど。

しかし社長の言っていることが冗談ではないことがその表情と「私の研修は本来数十万円を取ることが出来るものであるから君たちは恵まれていて……」と続く内容から判断。やっべ~。

そこからは闇の外食グループの如き『元気度を主眼においた』マナー研修がスタート。
その中で『この場にいる研修指導側の社員全員と社長のフルネームを言わされる』という謎のクエストが発生。
いや下の名前まではきつくないですか?

「これからの君たちを支えてくれる人たちの名前を覚えるなんてのは!最低限だぞ!」

と、答えられなかった新入社員が一人また一人と容赦ない言葉の打擲の餌食になっていきます。正論ではあるんだが。

ところが僕この場にいる社員の名前全員覚えていてすらっと言えたんですよ。ウチのクラスの就活対策がそもそも「ガッツでいけ!」というタイプの昭和気質で、とにかく会社のHPの情報を丸暗記してデカい声出して元気に行け!!!みたいなやつだったんです。で、僕も今でこそかなりゴミみたいな雰囲気ですが、当時は担任を始めとする大人たちから社会というものが非常に恐ろしいものであるというイメージを限界まで増幅させられていて、就活にアホほど真面目に取り組んでたんですよ。名前くらい余裕でした。

ここで鬼コーチこと社長が声を張り上げます。

「全員の名前を言えたのは柏木だけだぞ!お前たち柏木を見習え!!」

社長 僕の 苗字は
柏木では ありません

社員5人を覚えられなかった新入社員に激怒する社長が、たった4人しかいない新卒の名前すら満足に憶えていないの最高です。あと今更だけど4人の研修に本社から5人も来るのある?

こうやって後から笑い話にしてるし、僕も本名以外に名前を使う機会があったら『柏木』って名乗ってるくらいにはお気に入りなんですけど、研修自体は結構キツく、同期4人のうち1人はメンタルをやられ晩飯を全部残していました。かわいそう。

そんなこんなでとても楽しい思い出(?)をくれた社員研修が終わった一か月後、僕は現場に配属され3年ほど戦った結果討ち死にすることとなります。本社に退職手続きをしに行った時(なぜか『退職のスピーチ』なるものをさせられた。マジで終わってる)に、「大変お世話になりました。私の同期の3人にも機会があればよろしくお伝えいただけますか」とお願いすると「あ、●●さん以外全部辞めてまして、●●さんが最後です」とのこと。とのこと~~~~。

と、ここまでが楽しい楽しい研修の思い出でした。


5年後、当時のこの会社と最寄り駅が同じ某所に就職したある日のこと、 

上司「今から銀行に記帳しにいくド~~~ン、一緒に行きたい人~~~」
社員一同「(忙しいので沈黙)」
上司「じゃあたくまやんド~~ン一緒に来るド~~ン」
僕「なんで~~~」

<駅前の銀行まで歩く二人>

上司「ウフフ、たくまやんドンまだあのクソデッキを使ってるのかい?」
僕「一回Mさんに"もう使わない方がいいっすよw"って言われた後に無視して使ってたらマッチ画面出てきて即バレました。すかさずその日DMで『デッキ変わってなくない?気のせい?』って来ましたよ!」
上司「(僕を指さして)ゴミw」
僕&上司「ウフフ、アハハ」
僕「?!!!(殺気……?)」

そのときただならぬオーラを発している初老の男性とすれ違いました。それは間違いなく"あの会社の名インストラクター"こと当時の社長でした。

上司「たくまやんドン、どうしたんだい?」
僕「すれ違いました、悪魔と」
上司にあの研修の話をする僕。
上司「トドメ刺さないと悪魔は甦るんだね(←? と言われたけどだいぶ謎でわらた)」
僕「僕もそう思います」

。。。。。。

う~ん。改めて文字に起こして追想してみると、そこまで闇度があるかと言われるとどうだろうと思いました。
これの数倍は軍国主義かと疑うような研修が世の中にはゴロゴロ転がっていると思います。
それでも僕はあのバンの息苦しさ、一口も食えず水だけ飲んでいた彼の表情、研修所の寝室で就寝前に「こんなとこ来ないで先に合格った●社(割と有名なエロゲメーカー)にすればよかった」と語った同期、そして僕に柏木という名前をくれた社長。
その全てが「まあまあ昭和だな。闇」と思ったものです。

マイネーム・イズ・タクマ=カシワギ
ハロー
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プレジデント・イズ・バーサーカー・アンド・チャッキー
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