へたれゲーム貴族の躁鬱

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懐ゲー黙示録2 答えを追い求める魂よ「Diablo」

俺が中学一年生の頃、猛烈にとあるゲームにハマった。
Diablo

元々は海外のインターネットRPGであり、それを日本語化して輸入した作品だ。
当然、当時はパソコンなど家に無かったから元の作品も知らなかった。

その出会いは、ファミ通の袋とじにあったDiablo攻略付録だった。

知らないタイトルだし、たいした興味は無かったのだが暇つぶしに読むと
おどろおどろしい洋ゲーの怪物に、リアル指向なグラフィックが描かれており、
何よりもゲーマーの自分を刺激した、全く新しいシステムの存在が書かれていた。

アイテムに付与されるPrefix、suffixの概念である。

最近のRPGにはたまに見受けられるシステムだが簡単に説明すると、
攻撃力10のロングソードが存在するとする

そのゲームでは、ロングソードを手に入れると
ランダムで接頭語と接尾語がついてきて、それによって同じロングソードでも、全く別のアイテムに性質が変化するというものだ。

例えば接頭語「キング」は攻撃力が10あがり接尾語「ファイアー」は攻撃すると炎の魔法が出る
それがついた「キング・ロングソード・オブファイアー」は、普通のロングソードより攻撃力が10高くて攻撃すると炎の魔法が出る、といった武器になるのだ。


接頭語と接尾語は常にランダムで変化し、その組み合わせはまさに無限大。
強力な言葉がついている武器や防具ほどレアで中々手に入らない。


当時ゲームのアイテムといったら、ロングソードはロングソード以外の何物でもなかったから、このシステムには物凄い驚いた。


欲しい、欲しい。猛烈に、このゲームが遊びたい。


見れば既に発売して結構経っているゲームの様子。
中古で購入出来るかと思い、すぐに俺はワクワクしながらゲーム屋を巡った。

何件巡ったかわからないが、最終的には地元の最寄駅近くにあった今はもう無いゲームショップにて中古の2000円程度で買うことができた。

早速家に帰り、ゲームを起動する。

初めて触る、海外生まれのRPGと、いくつものシステムに度肝を抜かれる俺。

先程のアイテムの接尾語、接尾語のシステムに、キャラクターデータだけをセーブして物語は毎回はじめからやり直すというクエスト方式。リアルなグラフィックに、棍棒でスケルトンや小鬼を殴り倒した時の無駄にグロテスクな死体と打撃音。
何もかもが見たことも無い、新鮮すぎるRPGだった。

レアアイテムを探し、一日何時間も遊び続ける毎日が続いた
翌日学校があるのに、親に隠れて深夜3時まで起き抜いてまで攻略した
いつしか俺のキャラクターは悪の大司教ラザルスなど片手でひねりつぶせる強さを手に入れていた。


ここまで遊ぶと、この素晴らしいゲームを誰かに広めたくて仕方なくなる。

当時、歳は一つ下だが、乱暴で腕力も強く、少々親しみにくかったYという子がいた。
家の近い関係などで、たまに一緒に遊びはしたがやはり乱暴なタイプの子とはソリが合わない。
学年的には俺が先輩という事もあり、実際に殴られる事などはなかったのだが(お互い合意の上で鉄パイプで殴り合ったという青春を謳歌した事があったがそれはまた別の話)たまに彼の機嫌が悪いと脅されたりして、ちょっと付き合いにくいな、という子だった。

その彼が、ある日俺の家のDiabloに目をつけた。

最初は「何この変なゲーム?ちょっと貸して」という感じだった。

ラザルスもダークロードも倒し、一区切りついていたので快く貸してみた。
こんな奇妙なRPGはどうせ合わないだろうし、すぐ返してくれると思ったのだ。


ところが、Yもまた、Diabloに魅せられてしまった。


このゲーム、アイテムには大きさがあって、武器などは大きいのでアイテム袋にはすぐ入らなくなってしまってアイテムをたくさん持ち歩けないところが非常に不便だった。
しかし、Yは、自分のキャラクターでは使えない弓を手に入れると、装備出来ないにも関わらず何故かアイテム袋を圧迫するのに持ち歩いてずっと冒険していたようだ。

何故かと聞こうとする前に、Yがこう切り出した
「この弓、まゃん君が欲しがるかなと思ってずっと持ってたんだ」

ただの弓ではない、凄い接頭語と接尾語がついた強い弓だ。
手にいれるのに何時間もダンジョンに挑んだらしい。
Yは凄く優しくなっていった。
Diabloを通じて、どんどん友情は深まっていき、Yのキャラクタは俺に負けないくらいにどんどん成長していく。

そして、全ての敵が異常に強いナイトメアモードに二人で挑んだ

回復ポーションを交換しあったり、不慮の事態には復活魔法を唱えあい、前衛のYと後衛の俺の二人で少しずつ迷宮を攻略していく。

Yの攻撃や、俺の攻撃が間違ってお互いに命中してしまったときなど、互いにこづきあって笑い合う。

朝から夕方までプレイし続け、俺たちは最後の16Fへ到達した。

一瞬のミスで命を落とす、ナイトメアモードのラスボスを二人で倒した瞬間の事は忘れられなかった。


その後Yは少し遠くへ引越し、遊ぶ機会も激減した頃に、このDiabloを返して貰った
今ではどこに住んでいるのか知らないY。

だが今でもDiabloを見る度に思い出す。
お前のウォリアーと俺のローグは最強のコンビだったぜ!ってな。