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神話構想RPG The Lost Child紹介 -キミが邪神ハンターになる理由- [ゲー録575]

スプラトゥーン2ドラゴンクエスト11といった巨大タイトルの熱に浮かされるゲーマーたちの夏。
その裏で静かに不気味な存在感を放ちながらリリースされた一本のRPGがあることをご存じでしょうか。

そのゲームの名は「神話構想RPG The Lost Child(ザ・ロストチャイルド)」。過去エクスペリエンス開発のもとデモンゲイズシリーズや迷宮クロスブラッドリローデッド、円卓の生徒シリーズを世に送り出してきた角川ゲームスが新たにPS4/Vitaで放つ作品です。





いのっち
▲開幕イーノックをお許し下さい。




ニコニコ動画を中心に奇妙な話題を提供したあのエルシャダイと世界観や設定を共有する作品で、発売前より"初回特典でイーノックがついてくる"など一部が沸き立ちそうなアクの強いPRを行ってきた本作。

そんな傍から見たら一発ネタにしか見えないような広告を打ち出してきた本作ですが、ネタゲーとして切り捨てるには実に勿体ない深い魅力と遊びやすさをそなえた隠れた良作だと感じましたため、わずかばかりではありますが本ゲームの紹介をさせていただきます。

【目次】
・どんなゲーム?【東京×悪魔×ダンジョン!】
・往年名作のエッセンスを取り入れた"濃い"ハクスラ
・システムと総括




どんなゲーム?【東京×悪魔×ダンジョン!】

東京×悪魔×ダンジョン。

このゲームを表すキーワードを3つほど挙げてみました。
RPGに造詣のあるプレイヤーは「ん?」と首を傾げる並びだと思います。

東京が舞台で、悪魔と戦い、使役し、立体ダンジョンを踏破していく作品……といえば、ATLUS女神転生シリーズを想起させます。

しかしザ・ロストチャイルドがどんなゲームを聞かれれば東京が舞台で悪魔と戦い使役しダンジョンを進んでいくゲーム…と全く同じ説明になってしまうのであります!

実際に女神転生シリーズの重鎮である金子一馬氏とスタッフの対談というハラハラする化学反応が発生しているのは興味深い成り行きです。

だとすれば本作は女神転生の単なる模倣なのか?…という疑問が浮かびます。
次項にてシステムの詳細を見ていきましょう。




往年名作のエッセンスを取り入れた"濃い"ハクスラ

世界観、基本システムともメガテンシリーズを強く想起させる本作ですが、プレイ感はデモンゲイズ迷宮クロスブラッドといった角川エクスペリエンス系のハック・アンド・スラッシュ系ダンジョンRPGに近いものがあると感じました。

手に入る装備品は同一のものでもステータスの振れ幅があったり、装備品を敵を倒して手に入れる宝箱は罠看破の要素がある開錠方式であったりと往年の作品を思い出させます。

目玉要素の悪魔育成については、溜めた経験値を自由に割り振りが可能なため弱い悪魔を育てるために戦闘に参加させるストレスが無く、習得した技を移し替え思い通りのキャラクターに仕立て上げたりとメガテンとは少し毛色の違うものとなっております。

お気に入りの一体を見つけて鍛えるといった部分に重点が置かれていますね。

序盤から大量の種類の悪魔を捕縛でき、一回の戦闘で手に入る育成用経験値もドバドバ入り爽快。
悪魔の進化に必要なアイテムも比較的手に入りやすいため悩みつつそして気軽に楽しい育成が可能です。

メッセージ速度と移動速度を最大にしたときのプレイテンポは手触りが良く、戦闘中にスキルをランダムで覚える「知恵の実」システム、悪魔の捕縛に使え威力も高いアストラルバーストなどのシステムもあいまって戦闘画面が賑やかで面白いのも評価点。

全100層のやり込みダンジョンや装備品の改造といった要素も盛り込まれております。





ルルイエロード
▲序盤から全100層の鍛錬用ダンジョンに挑む事も可能です。







システムと総括

基本骨子は女神転生シリーズを想起させ、
知恵の実システムはロマンシング サ・ガの閃きともいえ、
装備品に追加効果がランダムで付与される様はDiabloを始めとするハクスラを思い出させ、
ルルイエロードで追いかけてくるボスシンボルは世界樹F.O.Eが如し。

様々な作品の特徴的なエッセンスが凝縮され、組み上がったキメラチックで混沌な作品がザ・ロストチャイルド……と言えるかもしれません。

しかし決して名作の要素をツギハギしたといったものではなく、それらは互いに良い影響を与えながら没入感の増大に貢献しています。

知恵の実で閃いた技を他の悪魔にトレードさせ、お気に入りのエンチャントが付与された装備品を鍛え、自分の軍団を築き上げ強力なボスに挑んでいく…このゲームには非常に骨太な、本格的RPG体験のずしりとした手応えがあります。

以下にシステムや特徴の要点を箇条書きにて紹介。

・パーティは主人公とヒロインの固定2名+アストラル(悪魔)3体。名称は固定であり命名の自由度は無い様子。
・主人公とヒロインはレベルアップ時に任意にステータスへポイントを振り分ける。
・アストラルは控え5名との入れ替えが自由に可能、控えも含めた育成の戦略性あり。
・宝箱を開錠し、武具を集めていくWizardryライクな収集システム。
・戦闘中に行動によってスキルをランダム習得する「知恵の実」システム。サ・ガシリーズの閃きとほぼ同じ。
・アストラルは習得したスキルを他アストラルへ移し替える事が可能。
・ダンジョンからの帰還アイテムが安価で販売されており、気軽に町へ戻れる。
・座標指定のオート移動システムもあり探索関連はスムーズ、というかダンジョン探索に没入できるようにADVパートのUI回りを始めとした細かい気配りがされている。
・死亡時はペナルティを支払って戦闘開始時か戦闘前に戻れる。
・難易度は冒険中任意変更可。ノーマルはサクサクした難易度、手慣れたゲーマーにはハードがおすすめ。



最後に

ここまでロストチャイルドを紹介してきましたが、公式サイトでゲーム画面を見れば分かる通り、そこそこアクの強いデザインとなっております。

しかしながら様々なシステムが絡み合い形成された手応えあるプレイ感は本物。
冒頭で述べた通り、エルシャダイ続編のネタRPGとして片付けられない、いや片付けてはいけない一本に仕上がっていると感じました。

ん~www

ここまできたらもう言います、身も蓋もないですが女神転生シリーズが好きな人には受け入れられると思います!というかオススメします!

高揚感より安堵感、道義よりも背徳感、に感情を揺さぶられる人はこの夏ぜひ遊んでほしい一本ですね。

というわけで、ロストチャイルド簡易紹介でした。






胸が
不気味なデザインの悪魔が多い中、正統派?なヒロイン。中々の押しかけ電波ちゃんです。