へたれゲーム貴族

未知の世界への鍵(ゲーム)を手に。

雑多文章録279 俺、パトカー、乗った。

殺人事件巡って事情聴取








人間生きてれば稀に奇妙な事があるものです。


・頭からガラスに突っ込んで全壊させたものの無傷だったとか
・英語のテストで三回連続して先生が採点ミスしてくれて成績が良くなってたとか
・限定1名の欲しくもない声優のサインがふざけて一枚だした懸賞はがきで当たったとか(某有島さん)
・神戸に隕石が落ちる瞬間をリアルタイムで見たとか


この私、くーちゃんにも人並みに不思議ミステリーな体験はあります。
今日はアンビリバボーの一つ、殺人事件の参考人として事情聴取されたお話をしてみましょう。



さて、ノンフィクションですので
お楽しみください。





──梅雨の時期の某日──


休日にベッドでゴロゴロすることは素晴らしきことかな。

…と、突如携帯電話が鳴り響きました。

着信番号**** **** …誰だこいつ?

当時、出来立てほやほやのアンパンマンのような若き学生であったくーちゃんなので
職場から電話なぞ勿論かかってこないし、バイトもしていない。
その上、友達とのやり取りは全て基本メールで行なっているし…まじ誰だこいつ?


アドレス帳に登録されている以外の番号からかかってくると
滅茶苦茶機嫌が悪くなる悪癖がある俺はすぐに不機嫌度が峠MAXに。

なんだコイツ?ボケが!とか思いつつも緊急を要する何かだったら困るので
一応出てみる事にしました。


くー「へいもしもし」
謎の男性「もしもし?私はですね、池袋警察署の**と申しますが
くー「はーいあっそーグッドバイ!」 ガチャン  ツーツー

開幕5秒で電話を切りました。
最近はオレオレ詐欺ならぬ「池袋警察署詐欺」が流行ってるんですか ?
誰が引っかかるんだよそんなもん。


大体警察との関わりなんて脳内グーグルで検索しても思い当たるものがありません。
あー、出るんじゃなかった。寝よっと。と再びベッドに転がる事に。



ちゃーらちゃらーちゃらららー
ちゃらららら ちゃらーらーららー♪
(着メロ)

うぜぇ…また鳴ってる…(ビキィ)

あーもうシカトシカト。幸いすぐ鳴り止んだので気を取り直して寝る事に。
zzz……



ちゃーらちゃらーちゃらららー
ちゃらららら ちゃらーらーららー♪
(着メロ)


…………   …れだ…誰だ我の眠りを妨げしものは!!
起こしたのが俺だったから良かったものの、
これが1000年寝てた魔人とかだったら木っ端微塵にされてるっつーのお前!!


そんな事を思いながらハッキリ迷惑だと告げるため、ちゃんと一度電話に出ました



くー「もしもし!そびえ立つクソですが!」
謎の男性「もしもし?こちら池袋警察署の**と申しますけどね」

自称警官「あなたのお友達が殺人事件に巻き込まれて亡くなったんですよ」


(2秒思考停止)
くー「 は? 」

G A M E O V E R ?
お 亡 く な り

自称警官「それでね、被害者のアドレス帳にあなたのアドレスがあってね、
お話を伺いたいんだけども今お時間大丈夫ですかね?」

くー「あの、あなた、本当に警察なんですか」

自称警官「私池袋警察署**の**ですが。一番あなたの家に近い交番はどこですかね」
くー「武蔵関の交番ですけど…」

警官「というと、駅前南口ですね」


え!?武蔵関とか超ローカルな交番じゃねぇか!?
駅前南口とか即答!?マジもん?


警官「今まだ池袋で、遅くなりますから、
武蔵関の交番ついたら電話差し上げるので」

くー「は、はい」
…ガチャ ツーツーツー


…この一連の流れですが、まだまだ新手の詐欺だという疑念が消えません。

家族に相談しようかと思いましたが、万が一殺人事件の参考人なんて事になったら…

家族なんかにそんな心配かけられん!
言えるわけなくね?とかウブな学生だったんですよ。

なので相当パニックになってました。
ステータス異常:こんらん ですよ。

もし本当に警官が事実を言ってるならば隠しても無駄だというのに…


というか、お友達が死んだ、って誰が死んだのか。
警官は名前を出しませんでした。お友達とだけ。
正直物凄くイヤですよ。一応池袋に縁がありそうな友達全員にメールなんかしてみようと思いましたが
これで返信が無かったら不安になるだけなので止めました。


それから1時間半ほど待たされて──ようやく電話が、鳴る。


警官「そろそろ着きますので、武蔵関駅前交番まで来て頂けますかね」
くー「あ、は、はい」


警官を装った誘拐とか、詐欺とか、はたまた何か悪質な事件であると
まだ心の中で思っていました。だって信じられないでしょいきなり?

とりあえず、いきなり襲われそうになった場合の為に護身に使えそうな物を探しました。


武器として台所にあったキッチンバサミをポケットに忍ばせて、
防具として刺されても平気なようにニ○センのカタログを腹に入れる俺…(マジ)





後編へ



ウホッ



殺人事件巡って事情聴取・後編







外は小雨が降っていましたが気にするほどのものでもなく、
何しろ傘なんかもっていて万が一の事態で動きが鈍ったら困るものです。

この電話が悪質なイタズラであってほしい…本当に友達に死なれてはいないだろうか…
とにかく、気が気でない状態で武蔵関駅前まで自転車を飛ばしました。



──武蔵関・駅前交番──


自転車で5分もかかりません。踏切わたって駅前交番まで行きました。

すると うわ まじですか 警官4人もいるよ パトカー2台止まってるよ


すると事件は本当だったようです。
最悪の事態を想定した不安の洪水が、心の堤防を今パーフェクトデストロイしました

とりあえず話を聞かないことには始まりません。
武蔵関交番前に自転車を止めて中の警官に話をかけました



くー「あの、すいませんわたくし先ほど電話の…」
警官「え?あなたが?」

豆鉄砲食らったハトみてえな反応。
んだよその反応。

警官「それではお話を聞かせてもらいたいのであそこのパトカーちょっと乗ってもらえますかね」

え…乗るの? あれに? 俺が? パトに?

いや、それは小さい頃は"はたらくくるま"とかを喜んで見ていたかもしれないですけど、
いざ"はたらくくるま"に運転手じゃない方の立場で乗るとなると物凄くイヤですね


くー「え、本当に乗るんですか」
警官「この雨の中で立ち話するのもナンでしょうバカだなー」



おい!!! 今、警察官にバカって言われた!!!!


怒りゲージが2目盛増えたんですがとりあえずパトカーに乗りました。
相手の警官は、恰幅のよいブルドックを想像させる刑事さんで、
なんか偏った例えをしてみますと"ひぐらしのなく頃に"の"大石警部"にソックリ。


んで、パトカーの中。 狭い。
視界の隅に行きつけの松屋武蔵関店が見えます。助けて、松屋…助けて。

牛丼屋が助けてくれるワケもなく、警部が改めて自己紹介をしてきました。

刑事「私池袋警察署**の**刑事です」


ホンモノ警察手帳きたーーーー!!


ドラマやアニメでしか見た事なかったアレの本物ですよ!!
自分だって警察手帳実物見た事ありますよ、って人は多くても、
警察手帳突きつけられましたって人はどうでしょうか。


運転席に一人と、後ろの席に私とその刑事一人という状況。
私は被害者が誰なのか気になってしょうがなかったので自分から話を切り出しました


くー「亡くなったのは誰なんですか?」

刑事「ああ、気の毒ですが。亡くなったのは"****"さんです」

くー「え…!!





























誰それ!!!??





いや、全力で知らないんだけど(;´д`)




くー「え…その、****さん、ですか?」
刑事「ええ池袋のスナックで働いてる46歳の女性で…」


スナック。
当時学生の俺にそんなとこに知り合いいるわけないだろうが。



くー「そんな人知らないんですけど(汗)」
刑事「おかしいな。被害者のアドレス帳にあなたの携帯の電話番号があるんですよ。」
くー「本当ですか?」

刑事「ほら。これ、あなたの番号でしょ?090-****-****。」


















全然違っっっっっっ!!!!!!!!!






くー「いや、あの一言いいですか?私の番号それと違います」

なんだ、たんなる掛け間違い、勘違いの事件か。
とおもいきやここでミステリーが発生


刑事「コレあなたの番号でしょう。私はこの番号にかけたんですよ。」
くー「私のアドレスはこれですけど…」
アドレスを刑事に見せて、刑事の携帯アドレスを聞いてそれに電話をかけた。
すると、刑事の携帯アドレスには確かに私のアドレスが表示された。


刑事「ええ?おかしいなあ…確かにこの番号にかけたんだけど」
ヒ゜ッホ゜ッハ゜…





ちゃーらちゃらーちゃらららー
ちゃらららら ちゃらーらーららー♪
(着メロ)


嘘おぉぉぉぉ!! その番号でウチの携帯鳴ったぁあ!!?




刑事「あれ。おかしいですね。こんな事あるんですか」
くー「本当ですね…不思議です」
刑事「じゃあ本当に被害者の事は知らないと?」
くー「全っ然知りませんwwwwww」
刑事「そうですか。いやしかしなんでこんな事起きるんでしょうね。
電話の回線が混雑してて掛け違えしてるんですかな」

そんな事あるのかよ
というか許されるのかよ。Do〇omo。どうなんですか。
と小一時間D〇comoを問い詰めたい気分のまま、事件の背景とか
どうでもいいこと10分くらい聞かされてやっとの事で解放されました。

暴力団の抗争に巻き込まれての事件とか、現実にあるんですね。
あと、刑事さんは僅かな手がかりを自分の足で掴むためにわざわざ池袋から
ここまでパトカーを走らせてきたみたいです。電話の掛け違いで。



本当に、この日はどっと疲れました。
特に心が…でも誰も知り合いが事件に巻き込まれてなくて安心。


と、以上が俺の体験した珍事でした。
短い時間ですが事件の事とか、警察手帳とか見られてまぁ
疲れたけど面白い体験ではあったな、と思いました。




刑事さんにまでバカって言われたのは予想外ですが。