へたれゲーム貴族

未知の世界への鍵(ゲーム)を手に。

雑多文章録49 高台から見る視点

他人より優位にある時、自分の魂がある時は静かに微笑を湛え、ある時は激しい雄叫びをあげている事に気がつく。

果たして、誰かより優れているという事に強烈な陶酔感を覚えるのは
人間、いや生命体の根源的な感情なのか。僕だけなのか。


性格…偏執
経済…昼食娯楽費駐輪代金含み月五千円
成績…中の下 身長…160すらいかず
体調…常に悪し 容姿…人並み以下
経歴…泥まみれ 特技…嘘


こう列挙しただけでも全く良い所など見つからないのが僕である。
どんな人間にも良い所はある、なんて言葉など昔こそ信じていたが今になっては陳腐な世迷い言にしか聞こえない。

そんな劣等人種な自分であるからこそ誰かより優れている瞬間をハッキリと認識出来た瞬間に堪え難い魂の咆哮を心の中に聴くのだ。

あらゆる面で負け続けた人間は心が麻痺し、諦観に似た考えを常とする。
それが一番傷つかないのだ。
自分は劣っていて当然だから、負けようが蔑まれようが何も感じないと思う上に、
それでも生きていれば稀に訪れる勝利の瞬間こそ喜びだけは非常に大きいのだから。

だから自分に何があってもいつも通り透明な笑いを浮かべていれば良かった
しかし、開いた穴はもう透明な微笑じゃ埋め切れなくて今も胸から風が吹く。
溢れる風は肉体的な負担にも姿を変えて軽い嘔吐感すら覚える。


僕だけが特別歪んでるんじゃない筈なのに。
少しでも前向きにいこうと思っていても、鏡に映るのは死んだ魚の目つき。

無償に誰かより優位に立ちたい、捻りたい、潰したい、消し去りたい。

今は少しでも気を紛らわせたい だから歌を歌おうと思ったんだけど
知ってる、歌える歌が頭から出てこないから夜中の道で放歌高吟に国歌を歌う。

どうしようどうしよう この焦燥感と喪失感は時間が解決してくれるのかな。

一度昼寝をしたけれど、一日や二日じゃ駄目みたいだ。
さぁ、もうそろそろ寝て学校に行こう。
願わくば、明日はゲーセンに僕よりゲームが下手な奴が来て僕に狩られてくれますように。
僕が心の平穏を取り戻すために世の中の誰か、なんでもいいから僕より劣っていてください。
そんな事でしか落ち着けない僕が世の中の誰より劣った心を持っていると言われても。