へたれゲーム貴族

未知の世界への鍵(ゲーム)を手に。

雑多文章録33 まぁゲームもいいけどたまには小説。

通学片道一時間半という腐った無駄を少しでも有意義にするために
現在小説マニアな親から小説を借りて読んでいます。

今まで読み終えたのが、猟奇殺人もの、現代犯罪もの、本格推理もの2冊、他にも読んだけど記憶にございません。

今読んでいるのが、裁判官の生活の裏側、仕事の裏側が書かれていて中々に読み応えがあるものです。

大抵の推理小説は、現実の資料を元にしたリアルな創作であります
読んでいくとわかるのですが、「警察官の仕事」や「裁判官の仕事」などについての一般雑誌や、TVなどのマスコミのイメージとはこれほどまでに違うのか、と思います。


例えば、裁判官に向かって良く、事件の概要もマスコミを通じて歪曲した状況しか知らない部外者の我々が「早くあんなやつ死刑判決にしろ」なんてTVに対して言いますよね。判決長引く!なんてテロップを見てさ。
実際、裁判官は一人で刑事なら100件、民事なら200以上の事件を一人で抱えるそうです。そして、その一つ一つの判決に対し、慎重に判決を下さねばならない。
懲役を一年軽くするか重くするかでもとても憂いるそうです。
それが死刑なんていえばなおさら、裁きの結果、人を殺すことになるわけですから裁判官は物凄い大変な仕事であります。
彼らは超人ではない人間ですし、実際事件にも関わってない部外者の俺たちが彼らの大変で繊細な仕事をとやかく言うのは可哀想な気がします。
裁判に持ち込んでしまえば、後は警察側の資料で罪の軽重を判断するわけですから、冤罪というモノは証拠を見つけられない警察側の責任となります。
決して裁判官が悪いわけじゃないのだ。

次は警察官の仕事について。
やっぱり我々は、TVの犯人いまだ捕まらず、というテロップに対して警察遅いぞなにやってんの!と艦長ほど偉くないクセに威張り散らすわけですよね。
この警察も、一件の事件について犯人の逃走経路を慎重に割り出し、結果、どこにどの人員を割いて、当てが外れてしまえばまたルート割り出しから・・・と物凄い地味で大変な仕事をしているわけです。
警察の仕事は所轄によりますが睡眠時間3時間なんてのもあるくらいです。
誰が好き好んでやりますか?正義感だけで睡眠時間を3時間にまで落とせる人がそうそういるとは思えません。彼らだって大変なのだ。


とまぁ、推理小説作家のえがく、裁判所や警察の実態、裏側・・・そんなものが赤裸々に描かれている推理小説は必見。
マスコミの手が加えられた誇張表現や歪曲事実が書かれていないのが個人の創作物というモノが持つつよみだと思う。

リアルな実情が書かれているからこそ本格小説
見た目のイメージに踊らされている人は是非本格で頭を冷やしてみては?

ちなみに私が読んだ中でもお勧めなのが
死刑制度に迫る、講談社文庫「13階段」
警察の苦悩が赤裸々となっている、創元推理文庫の「慟哭」
ですね。

私が今読んでいるのは裁判官の裏側が垣間見える、幻冬舎文庫の「火の粉」です。