突然なのだが、俺は歩道橋が怖い。
今日の一人称は、強がって、俺とする。

歩道橋を歩いている時にズボッと床が抜けたら下を走っている車にぶつかってAC北斗の空中コンボみたいにならないだろうか。ワンミス即死、観客は誰もいない。そんなゲーム、あまりにも理不尽すぎる。
突然床が抜ける事はなくとも、歩道橋を歩いている最中に狂気に駆られて柵を飛び越えて身を投げてしまわないだろうか。
そんな現実にはありえない妄想じみたことを、歩道橋を歩いている時に必ず考えてしまう。

歩道橋って高くて怖くないだろうか?俺は怖い。
橋の部分はどうして壊れないのだろうか。
見た目、そんなに頑丈そうじゃない。
鉄骨とコンクリートと、謎の薄い床板。
これで毎日何百人も人間を通している。
一ヶ月くらい人が歩いたら、
「もう無理です」って音を上げてもおかしくない気がする。
この薄い橋を、そんなに信用していいものだろうか。
だが、壊れない。
日本の建築物は、だいたい壊れない。
地震が来ても、台風が来ても、
歩道橋は平然とそこに立っている。
安全柵がある。
設計も万全。
統計的に落ちる確率はほぼゼロ。
それなのに、俺は歩道橋が怖い。
安全なハズの歩道橋が怖い。
床が抜けやしないか、突然変な気を起こして柵を飛び越えてしまわないか。
俺にとって歩道橋とは、正気をテストする場所なのかもしれない。
そんな事を考えながら、今日も俺はケガ一つなく無事に歩道橋を渡り切るのであった。