大戦シリーズIPを使ったブロックチェーンゲーム『魁三国志大戦』がリリースされました。
プレイ配信を見て「パッと見、令和に出すにはどうなクオリティなん?」と、思わず思っていたことが声に出てしまったのですが、それが開発の偉いっぽい人に捕捉されてしまった様なので、丸一日使ってプレイしての感想を書く。

浅いファーストインプレッションなんで、やり込んでいる方は笑い飛ばしてください。
※その後、継続して数日遊んでみたところ、実態に即していない事を書いてしまったなと思ったところもあったので、そこは書き直しました。
ゲームは出陣、登用、バトルを繰り返していく。
出陣はただのゲーム開始なので、実質「登用→バトル→登用……」を繰り返す事になる。最初から決まったデッキで出撃出来るわけではなく、初期配置の4コストだけ設定が出来る。
その後は、全3試合を勝ち抜く中で「登用」を行い、3コストずつカードを増やしてデッキを強化していく。


バトル中に技術の介入要素は無しのオートバトル。公式サイトには「思考で汗をかくバトル!」「レアカードが無ければ勝てないという時代は終わり」となんとも面白そうで初心者や無課金プレイヤーでも楽しめそうな文言が並んでいる。
プレイフィールとしてはお互いに一斉にジャンケンの手をバッと出して決着するといった感じであり、要するにオートチェス系ゲームである。原作のキモとなっていた要素の「計略」がタイミングが決められていて勝手に使われるのは少し戸惑うが、これは駒(キャラ)が持つ特殊能力と思えば納得が出来る。
個人的には、槍兵に平気で一直線に走っていき迎撃を貰い、一回突撃したら棒立ち乱戦の騎馬の挙動が気になった。これは原作を知っていると見ていて非常に不安だ。

攻城時の効果音が無い事も、変な気持ちにさせてくれる。また、計略使用時に何か特別なエフェクトが出るわけでもない、「強化戦法」も「天下無双」も同じエフェクトだ。バトルにダイナミズムが圧倒的に不足しており、ゲームとしての爽快感ははっきりとゼロである(このあたりは後日調整を行うとのこと)。
更に言えば、「連突」や「走射」、また俗に言う槍ワイパーは「槍払」といったように、原作アクションはカードが持つ「特技」に設定されてしまっており、上述の一度突撃したら棒立ちの騎馬(連突の無い一般の騎馬)のような本当に際どい挙動をするAIは繰り返し言いますが見ていて不安になる。
例えば、知力によっては乱戦そこそこに距離を置いて槍出しを保つ槍兵や、攻城妨害(いわゆる横弓)を行おうとする弓兵、槍を回避する騎馬などがいても良かったのではないか。
少なくとも、この敵も味方も一直線に相手に向かっていくAIの挙動から、槍兵・弓兵・騎兵の三すくみを上手に成り立たせる遊び方が直感的に導き出せる人がいたら、それはCPUのAIをロジカルに捉えられる(もしくは捉えてきた)一握りの上級者ゲーマーだと思う。もう、重ね重ね言うが、ゲーム中の駒の挙動は原作における素晴らしいハンドスキルを持ったプレイヤー達の立ち回りを見てきた身からすると、単純に美しくない。
このゲームにはオートチェスでいう「ショップ」的なシステムである「登用」がある。登用中はマップ上にある拠点を回る事で、内容をある程度操作出来る(魏の拠点を回れば魏のカードが出るなど)。このゲームで最もキモとなる要素だ。相手の初期デッキを見てからのこの登用フェイズは、このゲームで最も戦略的なところだろう。
では、オートチェスとしての完成度はどうだろうか?自分自身、メジャーどころのオートチェスはあまり触っておらず精々「ハースストーン バトルグラウンド」を遊んでいたくらいなので、ジャンル自体のゲーム性と魅力を正確にキャッチアップ出来ていないかもしれないが、魁三国志大戦における「最初の4コストは自分で積み込んでおける」仕組みがオートチェスとの噛み合わせに良くも悪くも一つ要素を齎していると思う。それはオートチェスが持つ公平な競技性にはNoを突きつけているとも見えるし、あるいは、初期配置から登用の戦略性の方針を決め打ちする、ある種のストラテジー性の担保かも知れない。
他には、広報の展開についてはどうか。
本作のリリースにあたっての記念番組があったのでこちらも全編視聴した。
三国志大戦を手掛ける西山泰弘プロデューサーが、終始、隣にいる出演者に向かって、公式サイトに掲載されている内容に毛が生えた程度のものを更に噛み砕いて説明するスタイル。出演者自身はおそらくゲームに不慣れな視聴者層を代弁する役割として出演していたのが、画面の向こうにいるユーザーをもう少し意識したトークがあっても良かったのではないかと思うと同時に、「このゲームにかける情熱や制作背景」に尺が多く割かれていたのが気になった。1時間43分もの番組なのだから、正直なところ「この番組を視聴する事によるゲーム上での情報アドバンテージ」が何か欲しかった。
また、番組内では「課金しないと勝てないのでは?」という質問に対し、「そんなことはありません!」と繰り返し強調されていた。しかし、覚醒によるパワーアップ、特に「魅力」が紹介された際、「コストそのものを操作する要素を導入しながら、ペイ・トゥ・ウィン(PTW)ではないと主張するのは難しいのでは?」と疑問が湧く。大戦シリーズプレイヤーなら分かると思うが、コストが違うデッキで対戦するということはボクシングで階級の違う選手を戦わせるようなものである。実際のゲームバランスがどの程度課金に依存するのかは未知数ではあるが、放送で説明された要素を見る限り「課金は圧倒的正義」といったバランスに既に見えてしまっており、今のところこれを「思考で汗をかく」ゲームだと主張するのは、率直に言って無理があると思っている。
以上がこのゲームを触っての率直な感想。
かなりボロボロな評価をさせていただいた。全体的に乾燥した手触りというのは嘘ではないが、良いところを挙げるとすれば、他のオートチェスゲームに飽きて、大戦シリーズのキャラを眺めながら遊びたい時には、出陣ボタンを繰り返し押してもいい……ような。
三国志大戦のIPを使っているとはいえ、原作とはあまりにもかけ離れたゲーム体験であるため、ここから面白く出来そうな伸びしろもありそうにも感じるものの、UIやらプレイフィールやらは本気で改善しようと思わない限り厳し目だとは思う。まあ、ブロックチェーンゲームなので、遊べる投機商品。みたいなところを目指しているのかもしれない。ガッツリと戦略と戦術を楽しみたい"ゲーム"を遊びたい層に訴求出来るゲーム性を備えている作品かといえばブラッシュアップが足りてないと思うし、何より大戦シリーズファンには矢印が向いていないと思う。
音楽は結構雰囲気があって良いです。
本日はこのあたりで。

【追記】
◆2025/10/01に、サービス終了の告知がされました。
【重要なお知らせ①】
— 魁 三国志大戦 公式運営事務局(官方支援) / B3K Official Support (@b3k_info) October 1, 2025
『魁三国志大戦』は、2025年10月31日(金)15:00をもちまして、サービスを終了させていただくこととなりました。
皆様には深くお詫び申し上げます。
詳細は下記のお知らせをご確認ください。https://t.co/X3p571aO0T#魁三国志大戦
下記の通り、10/2までと期間は短いですがAMA実施のため質問を募集しているようです。
"サービス終了に関する内容の説明を行う場として、2025年10月2日(木) 20:00(JST)より、公式DiscordにてAMAを実施いたします。
ご意見・ご質問については下記よりお寄せください。
※ご意見・ご質問は2025年10月2日(木) 13:00(JST)までが受付期間となります。
https://forms.gle/cR56EvHN65d9sm9KA
"