おうちDE映画『スーパーサイズ・ミー:ホーリーチキン !』を観ました。

AmazonPrimeでスーパーサイズ・ミー:ホーリーチキン !を視聴。
2017年の映画だ。




スーパーサイズ・ミーのモーガン・スパーロック監督が13年ぶりに帰ってきた。そして今回のターゲットは、ハンバーガーではなくチキンサンド。『スーパーサイズ・ミー ホーリーチキン』は、ただの食レポ映画ではなく、チキン業界の舞台裏に切り込んだドキュメンタリーだ。

前作ではハンバーガーを食べ続けて健康問題を検証したスパーロック監督だが、今回は自らファストフード店を開業するという異色のアプローチを取る。その過程で彼が突き止めたのは、業界の裏側に潜む「売り手に都合の良いストーリー」だった。

例えば、「放し飼い」の定義。本来ならば自由に動き回れる環境を想像しがちだが、実際には養鶏場の一部に小さな出口を設置するだけで「屋外環境あり」と認められてしまう。つまり鶏たちが外に出られる可能性がわずかにあるだけで、企業は「放し飼い」と堂々と宣伝できる。こうした消費者のイメージを巧みに利用するマーケティングの手法が、業界には無数に存在する。

 

この映画の面白さは、業界の闇を暴くだけでは終わらない点にある。スパーロック監督は、食品業界のマーケティング戦略や広報の手法にも鋭くメスを入れているのだ。企業がいかに巧妙に「安全で美味しそうな物語」を作り上げ、消費者に届けているのか。そのプロセスを具体的に明らかにすることで、普段目にする広告やパッケージに込められた隠れた裏側の事情を理解できるようになるかもしれない。

僕自身も数年間広報の仕事をしていたことがあり、この映画には様々な意味で考えさせられた。マーケティングの世界では「見せ方」こそがすべてと言っても過言ではなく、企業は消費者に「選ばれる」ためにストーリーを作り上げ、それをいかに魅力的に伝えるかに全力を注いでいる。自分が携わっていた仕事にも同じような側面があったことを思い出す。そして世の中にはこうした巧妙な手法が無数に存在し、僕たちは知ってかしらずか、常にその影響を受けているのだと改めて痛感する。


そして、最後に開店するのは、単なるファストフード店ではない。養鶏業界の物語と皮肉が込められた、とびっきりイカした店舗だ。

『知ってしまったけど、知りたくない。でも、食べている』

この映画が突きつけるのは、そんな矛盾した現実かもしれない。

考えさせられるテーマを持ちながらも、決して堅苦しくなく、エンターテインメント性も感じられる作品。アメリカの養鶏業界の実態や、マーケティングの手法に興味がある人にはオススメの作品だと思った。