発売から三ヶ月経ちますが先日ようやくファイアーエムブレム エンゲージをクリアしたのでこのゲームについて感想を書いていきます。
これはオープニングムービーの一幕なんですが、見てくださいよこのスタイリッシュさを。著名なキャラクターデザイナーの起用、豪華声優陣、スタイリッシュなムービー。脈々と受け継がれるファイアーエムブレムシリーズをあまねく人々に体験して欲しい。そんな意気込みが感じられる本作は果たしてその通りの手応えがあり、僕はこのゲームをプレイ出来て本当に良かったと感じています。
落としてからアゲた方が楽なので、まず最初に個人的に思ったこのゲーム唯一の勿体ない点を挙げると、シナリオやシステムに面白さのエンジンがかかるまでに少し時間がかかると感じた点でしょうか。
本作のシナリオは継承・成長をメインテーマに据えた王道的な冒険活劇で、クリアまで見届けた僕はとても満足のいくクオリティだと思いました。
しかしながら、前作『風花雪月』の重厚感のある戦記物系のお話と比べるとティーン向けと思われるやや軽いノリであり、独特な雰囲気も散りばめられているため、特に序盤の本格的に物語が始動する前段階で、前作と比較してストーリーがちょっと良くないのではないか？と感じてしまいました。
事実、4話くらいまで遊んで僕はこのゲームを二ヶ月近く放置しておりました。
物語に火が点いて動き出す最初の大きな山場が10章くらいからなんですよね。
最速で最大級の満足感をぶつけてユーザーに虜になって貰うということが重要視される昨今のゲーム市場情勢を鑑みると、この部分だけは非常に勿体ないと思ったところです。
これは僕の中では確かにこのゲームの問題点と感じているところです。
でもそんな問題点なんか問題じゃねえ！ってくらいにパッションが溢れて止まらないシステムとシナリオがこのゲームにはあったんですよね。
シナリオは後半につれてギアが上がり見どころが増えていきます。
そしてFEというSRPGの金字塔的作品として畏まった雰囲気のあった既シリーズを派手に見事にぶっ壊して再構築したハチャメチャなユニット育成システム。
これが凄い。
一人のユニットを育てるにしても『紋章士（FEシリーズの主人公たち）』『スキル』『武器選び』『クラスチェンジ』といった複数の要素が絡み合い、想像力が羽ばたく限り自由な育成が可能になっているんですよね。
結構むちゃくちゃなユニットなんかも作れちゃったりするんですが、それを真正面から受け止めてくれる数々のステージがまた見事。単騎で無双出来るユニットを育て上げたとしても軍全体に出る被害は果たしてしっかり抑えられるのか、と問われるゲームバランスは素晴らしいの一言。個の強さと集の強さ、どちらもが審査対象となっています。
この絶妙なユニット育成システムとゲームバランスには物凄い中毒性があります。
休止から久しぶりに手を出してからはクリアまで止まりませんでした。
・このユニットにこのスキルを継承させたらどうだろう？
・あの紋章士のあの技との組み合わせは面白いんじゃないか？
・このキャラ支援会話良すぎて活躍させたくなったから強く育てよう！
と、ゲームを進めるモチベーションが底なしに湧いてくるんですよね。
純粋に、SRPGとして面白い！
旧作と比べてユニット育成の幅は大きく広がりましたが、プレイフィール的にはクラシックなSRPGらしく、バトルパートと拠点パートを行き来しながら進めていくものなので従来のFEとあまり変わらずに楽しめるのも良いところ。
拠点システムはショップがちゃんと一つの場所にまとまっていて令和！って感じ。
反面、あちこちにあるアイテムを拾わされるのはちょいと面倒なところも。昭和！
ただ、各施設へのファストトラベル完備なので差し引きでは大きめのプラスです。
また、拠点にはユニットとの支援会話発生のために必要な支援値をアップさせる施設などがあること、バトルパートにおける武器の使用回数制限が撤廃されたことなどなど、従来より全体的にシステムが柔軟かつ令和仕様に進化しているところも尚Good。
特に武器の使用回数制限についてはかなり思い切ったなという感じです。
回数に限りがある強力な武器をどこで切っていくか、というのもFEシリーズにおける伝統的な部分であったので。
本作のこの仕様、僕的には賛成です。
特に何も気にせずぎんの武器をガンガン振れるのは結構爽快ですからね。
ちゃんと強い武器にもメリットデメリットがあって、強いと大体『重い』のでその辺のバランスもかなり良いです。
総評して。
本作はファイアーエムブレムシリーズの名に恥じない一本であり、紋章士という歴代の主人公たちの概念がシナリオにもシステムにも上手く組み込まれたシリーズの記念碑的な作品にもなったのだと確信しています。
三種類の難易度と二種類のモードを備えてシリーズ初心者を受け入れる懐の広さもある本作。ファイアーエムブレムデビュー作としても個人的にはかなりオススメが出来るのでシリーズ未プレイの人は手にとってみても良いのではないでしょうか。
もちろん、骨太なSRPGを求める方も『買い』だと思っています！
以下は個人的な僕のプレイにおける一軍のキャラ概要まとめ。
クリア感想とは関係ない上に多少のネタバレがあるのでまあ読み飛ばしてください。
難易度はハード・クラシックです。
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メリン（ウルフナイト）＆ロイ
スキル：竜呪、再移動
自軍最大の功労者。紋章士ロイは非力さを補うためにチョイス。限界まで強化したぎんのナイフとロイの力＋６まで組み合わせると中装甲までの敵なら全て追撃込みでワンターンキルが可能な無法ぶり。厄介なユニットは全部メリンに排除してもらいました。速さの成長も違法なのでそもそも敵の攻撃が当たらないし、無双。おっぱいの大きなボーイッシュキャラが好きなので約束の指輪はメリンに上げました。もう終わりだ！（性癖が）
パネトネ（ウォーリアー）＆リン
スキル：速さ＋、弓術・心
最多MVP。強すぎる、怪物。怪力から繰り出される遠距離攻撃に、速さの吸収が合わさって全ての敵に追撃が取れるようになる上に流星群の威力も確実に雑魚1体を戦場から除去できる暴れっぷり。長弓＋パネトネの組み合わせは中世に突然具現化したF-14トムキャットみたいなもん。止まらねえよ。
リュール（神竜ノ王）＆カムイ
スキル：回避＋、ＨＰ＋
霧の発生装置。主人公がやられたらおしまい！なのでドーピングアイテムを全て注ぎ込んだ結果生まれた悲しき化け物。敵の攻撃は当たらないし、守備も魔防もあるし、火力もそこそこだし、無双。このゲーム、一人にドーピングアイテム全ツッパすると異常なキャラ生まれます。
クロエ（グリフォンナイト）＆エイリーク
スキル：ＨＰ＋、力＋
力さえどうにか工面してやれれば、鍛えたスレンドスピアで大体の敵を追撃込みワンパンしてくれる上に飛行で快速。それがクロエというキャラクターだと思います。彼女もガチのエースユニット。
ルイ（ジェネラル）＆シグルド
スキル：速さ＋、槍術・剛
固い！強い！遠くまで移動できる！シグルドエンゲージにより新時代のアーマーナイトへと変貌を遂げるのが彼、ルイ。全編通してスゴイんだけど、後半最後の方になってくると魔攻のユニットも増えてくるので最終的な存在感はいまいちなところがありました。それでも後半突入までは矢面に立ち続ける勇姿があまりにも立派すぎる。
フラン（マスターモンク）＆ミカヤ
スキル：ＨＰ＋、再移動
個人的には成長が微妙だったフランちゃん。杖振り要員として最後まで地味～な活躍をしてくださいました。
オルテンシア（スレイプニル）＆ベレト
スキル：ＨＰ＋、再移動
オルテンシアよ！こんにちはー！！が可愛すぎる。杖振りユニットとしては最高峰、牛でいえば飛騨牛くらいのプレミア感。重装敵の排除にもまあまあ活躍できるけど、耐久面が前線に出すには心もとなすぎるのがネックか。前にちょっと出て魔法で殴る、みたいな仕事したいなら再移動は必須級だと思う。
エーティエ（ウォーリアー）＆リーフ
スキル：命中＋、竜呪
力は伸びるんだけど他があんまり……という事で、最低限の飛行ユニット落としというシンプルな作業に従事させていた子。耐久力も非常に不安で、敵飛行ユニットの増援に急襲されて命を落とし時水晶を使わざるを得なかったシーンもしばしば。速さ＋を継承させて追撃取れるようにするか、思い切ってリンをエンゲージするかしても活躍出来そうなところは良い。
セアダス（ダンサー・紋章士無し）
スキル：再移動
なんか気が付いたらスキル１個しか付けてなかった。てへ（オルテンシア）。踊ってエースユニットを２回行動させるシンプル運用だけでゲームバランスをグラグラに揺らせる最強格ユニット。コイツが踊らにゃ誰が踊る。
アイビー（リンドブルム）＆セリカ
スキル：幸運＋、再移動
技が不安なものの、速度も結構あって重装相手にはほぼ確実に追撃が取れ火力も非常に高い。敵ジェネラルの排除ならアイビーで決まりだね。そもそも飛んでいるのが強いし……。幸運が酷くて被必殺が怖いので幸運＋と再移動で位置取りを徹底したけれど、今思えば幸運＋はもっと別のものにしても良かったな。速さ＋とかで良かったかも。
ジャン（ハイプリースト）＆ルキナ
スキル：速さ＋、再移動
本作品における良成長枠という事で期待していた子。最終的には速さ＋も込みで大体のユニットに追撃が取れる高火力魔法攻撃ユニットとして大成し数多くの敵を滅ぼしていった。杖を振って命を救っていた少年の頃の姿はそこにはもう無かった。医者だから命を救う術も知ってれば終わらせる事も知っているんだね。
ユナカ（シーフ）＆マルス
スキル：ＨＰ＋、竜呪
やっぴー！キャラクターとしてめちゃくちゃ好きなユナカ氏ですな！でも性癖に負けてメリン氏に指輪を渡してしまったのですぞ！意外と力が伸びて、特にゲームを通じて中盤あたりでは完全なる無双をしていたキャラでしたな。後半になってくるとさすがに少々力不足でしたゆえ、スキルには力＋を付けてあげるべきだったと反省しておりますぞ。
モーヴ（ロイヤルナイト）＆アイク
スキル：命中＋、再移動
そのステータスの高さゆえに何でも出来てしまうおじさん。物理攻撃よし、魔法攻撃よし、杖振りよし、馬による前線ダッシュよし、と仕事がいっぱいいっぱいあるおじさん。耐久面的に受け性能もまあまあなのでアイクチョイスしたけどあんまり天空撃たなかったな。一番した仕事は敵ジェネラルに炎の槍を撃つ事。
ヴェイル（邪竜ノ娘・紋章士無し）
スキル：竜呪、再移動
せっかくの竜族スタイルなのに最後まで紋章士が決まらず、適当にHPが増える指輪を付けていました……猛省。一番した仕事は敵ジェネラルにオヴスキュリテを撃った事。耐久面が心配なのであまり前線には出れなかったものの、ステータス自体はそこそこ完成しているため普通に良い活躍はしてくれた。支援会話が全体的に罪滅ぼし系なので、儚い。
以上よ。
