へたれゲーム貴族の躁鬱

こ、こいつ……ゲームやったまま死んでやがる

【Rimworld】ドラマを紡げ 大人も子供も、おねーさんも。

スリの銀次はめちゃくちゃ怖い。
Steamという駅をうろうろしていたところ、『Rimworld』というゲームに化けていたスリの銀次に時間の全てを奪われてしまった。

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2月~3月にかけてあまりにも熱狂的にプレイしていて一旦その意欲は落ち着いたのだがごく最近Ver1.3にアップデートしているのを見つけてしまってまた全時間を没収されてしまっている。

どんなゲームやねん

不時着した惑星を開拓していくコロニーシミュレーションゲーム
宇宙船を建造して惑星を脱出するというクリア目的が与えられているものの、別に目指さなくともよい。
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 建築、農業、タワーディフェンスなどの様々な要素が盛り込まれている。

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どこにそんなハマってん

誤解を恐れずにいうと忙しいところが面白いの一言に尽きる。
「どこが面白いの?」
「忙しいところ」
こう言われたら正直僕は眉をひそめる。
忙しいゲームなんかやりたくないからだ。
しかし一般的にいわれるネガティブなイメージの忙しさが求められるゲームではないことを伝えたい。

自分の腕に適正な難易度でプレイをする限り、Rimworldは今自分が取り得る選択肢の中で取捨選択を行い続けるゲームとなる。自分の能力を超えた選択にチャレンジし続ける事を強いられる一般的な忙しさのゲームとは違う顔付きをしたゲームだ。

「先に食糧を調達すべきか、そろそろ入植者たちの衣服を慎重するタイミングか、それよりも壁に使う石材の切り出しをしておこうか、ああ、襲撃対策に拳銃がもう一丁欲しいな……」
未開の惑星に降り立った入植者たちが宇宙船を建造するまでの道のりは果てしなく遠い。順序立てて山積みの問題を一つ一つ解決していく内に、次にやりたい事がドンドン出てくる。
コロニーの問題を解決し生産性を高めていく指示の取捨選択がゲームの終わりまで続くから、ついつい止めるタイミングを失ってしまう。麻雀はゲームの終わりまで牌を選んで切るだけのゲームだが、そこに複雑なインタラクティブ性があるから飽きない。それに近いものを覚える。

難易度を非常に細かく調整出来るシステムのため、自分にあった環境でプレイする楽しみだけでなく、自分にあった環境そのものを探す事すら楽しくある。難易度を調整する事が出来るという事は、もちろん自分の限界に挑みたい腕っこきのシミュレーションゲーマーにも底無しの難易度を提供してくれる懐の深さを持っているという事でもある。

シミュレーションゲームが苦手なら、ピースフルモードを選択する事で争いが存在しない牧歌的なコロニーライフを楽しむ事が可能だ。暴力が無くなったメトロシティでハガー市長とアンドレが肩を組んで微笑む光景が見れるだろう。

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他にも幾つもの魅力を感じられたゲームなので、思いつく限り挙げていきたい。

リプレイ(再試合)性の高さ
リプレイ性を備えた仕組みがあることと、実際にリプレイしたくなるかは全く別のものだ。しかしこのゲームはちゃんとリプレイしたくなる内容に仕上がっている。不時着するマップ一つとっても『温帯』『熱帯』『寒帯』に『森林』『湿地』『砂漠』……といった様々な地形、気候の組み合わせがあり、それぞれが違う遊び方を提供してくれる。

次のプレイではどの地点に降り立とうかと考えているだけでも過ごすせてしまうし、ゲームプレイ中でも今のコロニーを捨てて別の地形へ引っ越すという事すら出来る。

上手くいった事は次回も試したくなるし、失敗した事は別の視点からアプローチしてみようと楽しめる。

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AIストーリーテラーによるフラットな体感難易度

例えばあるシミュレーションゲームで難易度『普通』を選択して遊んでいた時に、致命的な失敗をして資源リソースが大幅に減少したとする。当然ゲームの難易度は『普通』のまま継続されるので、失敗を挽回するために実質『最高難易度』に挑むような最善手を打ち続けないとゲームが継続できないというケースもあるだろう。あるいは、その失敗をしてしまった時点で、難易度『普通』に挑むのは時期尚早だったかもしれない。

一方、Rimworldにはコロニーの出来事をドラマチックに演出するためのAIが存在している。致命的な失敗をして、人命や資源を著しく損失するとAIが「お。こいつ滅びそうだな……」というのを察知して選択した難易度を継続出来るように物資を降らせてきたり増員のイベントを発生させてきたりするのだ。逆にプレイヤーの腕で良く繁栄し順風満帆なコロニーには難易度に見合った挑戦をプレゼントしてくれる。

上級者になると現在のコロニーの状態からAIがどういう挙動をしてきそうかメタ読みをして難易度を下げる事も出来るようになるが、相当やっていればこそのテクニックだしそんな上級者でも挑戦しがいのある難易度にする事すら出来る(メタ読みを無視した完全ランダムAIも選べる)。それこそ末堂厚一人で範馬勇次郎100人の島から脱出しろ!というような難易度にすら調整可能だ。


物語を"紡ぐ"ゲーム
RimWorldは物語を紡ぐものであり
プレイスキルの試験ではありません
廃墟となったコロニーは劇的な悲劇であり
失敗ではありません

この一文はゲーム中に表示されるTipsである。
シミュレーションゲームは特に硬派なゲームジャンルの一つで、上手にやるという事は大きな価値を持つジャンルであるというイメージを自分は少なからず持っている。このRimworldは戦闘、経済、運営といったとびきり硬派な要素を多く内包しておきながら、自らをゲームオーバーですら失敗ではないと断言している。

これは昨今のゲームシーンに対する奥が深く容易に答えが出せない問いかけであるような気がして、いや、Rimworldを作った人そこまで考えてないと思うよ。そうかな、分かりました、っス。少なくともRimworldはプレイヤーの数だけ、自分だけの奇妙で不思議な物語がそこにあるのだと言っている。それだけは間違いない。

ここで一つ、実際僕のコロニーに起きた物語の一つを紹介したい。


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プレイ三周目の出来事。Phillroという名の男性がコロニーの仲間に加わった。キャラクターには生い立ちによって様々な肩書が付与されており彼は『ニセ医者』という肩書を持っていた。まあ確かに、医術スキル3、知力スキル1という数値が示している通り、よく分からん民間療法をやたら勧めてくる親戚の胡散臭いおじさんといった様相を呈している。少なくとも絶対自分の手術の執刀医になってほしくはない。嫌だよ手術台で目が覚めたら両手の五指がぜんぶ薬局で貰えるカエルの指人形にされてるとか。


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ある時、コロニーに病が蔓延。そんな時に限って医薬品が一つも無い。医薬品を製作するための工芸スキル4、知力スキル4を同時に満たしている入植者を仲間に加えていなかったのだ。このままではコロニーは悲劇へと一直線。為す術無し、なのか。


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この状況で立ち上がる事が出来たのはあのニセ医者Phillroだった。
コロニー内での研究作業にて知力スキルを鍛えていた彼は医薬品の製作に着手する事が出来る唯一の存在となっていたのだ。

ニセ医者と呼ばれていた男が医学でコロニーを救った瞬間である。
このとても印象的な出来事を僕はきっと末永く覚えているだろう。

そしてこの時にRimworldが提唱する『物語を紡ぐゲーム』がどういう事かを心から理解したのだ。




というわけで。

この奇妙なコロニーシミュレーターを紹介してみた。
幾つか特徴を挙げてみたが、個人的には緻密な難易度調整が可能なため全く異なる様々な楽しみ方が出来る面が素晴らしいと思う。平穏な農耕狩猟ゲームにする事も出来れば、いち早く宇宙船を作る事を競う歯ごたえのあるシミュレーションにしてもいいし、惑星からの脱出など忘れてどれだけの規模の襲撃に耐えうるコロニーを築けるか血と闘争に明け暮れてもいい。

欠点としてはビジュアルの強いゲームではないところだ。描画されているキャラクターはコケシそのものだし、めちゃめちゃ可愛い愛バがセンターで投げキッスしてくれるダンスシーンも収録されていない。多くの人は一目見ただけでアクの強さを感じるのではないかと思う。

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ところで、有志の作ったModの数があまりにも膨大で狂っている。
UIを便利にするものからバランスを調整するもの、地形や家具の追加、イベントの追加なんてのもあるし、入植者たちのビジュアルを強化して可愛いキャラクターにすげ替えるModもある。
恐ろしい。

一見複雑そうに見えてかなり懐が広く深いゲームだと思うので気になった方はぜひ調べておくれ。
今日はこのへんで。