へたれゲーム貴族

未知の世界への鍵(ゲーム)を手に。

【この夏のごつい一本】ファイアーエムブレム 風花雪月

こんにちは。

巷ではファイヤーエンブレム花鳥風月などとタイトルを間違えられる、名前当てクイズの全国正答率37%を切りそうな新作タイトルファイアーエムブレム 風花雪月」について一周目をクリアしたのでゲームの紹介をしてみたいと思います。
ファイアーエムブレム…以下FE

最初に一言、このゲームはかなりごつい完成度をした珠玉の一本です。
FEシリーズファン、SRPGファンはもちろんの事、幅広いユーザーに薦められる作品だと感じました。

FE風花雪月、その魅力とは新機軸を打ち出しつつも本質はがっつりFEシリーズであるところです。

風花雪月、ここがPOINT!

【1】学級を指導する濃厚なインターミッション。
 学園生活。されど決して軟派ではない、戦争がテーマの重い作風。

【2】思考して至高の一手を放つバトル。
 これぞ、ファイアーエムブレム感。
【3】圧倒的な生徒指導の自由度。
 新世代シミュレーションといって過言ではない!?


POINT【1】学級を指導する。濃厚なインターミッション

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多くのSRPGでは”戦闘を行う→インターミッションで軍備を拡充する→戦闘を行う”の繰り返しでゲームが進行していきますが、FEシリーズもその例に漏れません。

本作のインターミッション部分は「学級の指導」という形態で行われ、プレイヤーは三つの内から一つの学級を選び、自身が担当する学級の生徒と交流を深めながらゲームを進めていきます。



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様々な人物が絡み合うことで重厚な戦記物の様相を呈してきたFEシリーズで、学園生活モノ?先行きが不安だなぁ…と思ったシリーズファンは恐らく少なくないでしょう。しかし心配は無用です。公式HPのイントロダクションでも語られている通り、士官学校での生活を体験する第一部の後に、世界を包む三国の戦乱を描いた第二部がやってくるのです。

勘の良い方ならお気づきかもしれませんが、王侯貴族達の思惑や様々な組織が暗躍する中、情勢に翻弄され袂を分かったかつての級友に、剣を向けなければならないその時が確実に訪れるのです。

この壮絶なまでのドラマを描ききっているのが本作。

代々家系に伝わる紋章の力を受け継いだが故に、自らの未来を封殺された貴族の少年少女や、出身国家の違いで悩む平民出の者、それらを取り巻く教官、など、インターミッションの学園パートではこれでもかと言うほどの人間の関係性が現れ、第二部へのプレイヤーの感情を育てていきます。

学園生活。されど決して軟派ではない。
これは戦火の中にある物語、これは紛れもなくFEだ、と実感するでしょう。
紋章に関する謎や、過去の英雄の武器といったFEシリーズならではの要素も登場し、重厚なストーリーを楽しむ事が出来ます。


POINT【2】思考して至高の一手を放つバトル

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本作の戦闘は旧来のシリーズと同じく、マス目に区切られた戦場でユニットを指揮し、勝利条件へ向けて進軍していくもの。7ダメージで命中率83%といった攻撃を仕掛けるか考えたり、2%の必殺率に頭を悩ませたりと、シリーズファンには非常に親しみやすい数値を管理していくため、いざ戦闘画面に入れば「あっ、これぞ長年楽しんできたFEそのもの!」となるでしょう。

バトルシチュエーションも、広大な平原で三勢力が睨みを利かせる会戦といったものから、見通しのきかない霧の中をおっかなびっくり進軍するもの、複雑な通路の中で乱戦となるもの、など様々なマップが用意されておりシリーズファン、SRPGファンとも唸らせる作りとなっています。


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騎士団の配備や計略といった新要素の追加もあり、戦闘パートで次の一手を悩む面白さは健在どころか磨きがかかっているといえます。

これだけ色々な要素があると、ストーリーは気になるけど戦闘パートで詰まりそう…苦手だし…という人もいるかと思います。が、細かな難易度調整を行えるようになっているので、この手のジャンルが不得意な人でも楽しめる設計。これは嬉しいところ。


POINT【3】圧倒的な生徒指導の自由度

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インターミッションにて学級(生徒)の指導を行う、とPOINT【1】で述べた通り、本作の肝となるのが学園パートです。この学園パートは今までのFEには無かった意欲的な作りかつ、大きな自由度を誇り、生徒を自由自在に育て上げる事が出来ます。

兵科毎の装備武器の縛りは撤廃され、各キャラクターが装備武器に与える影響はキャラ毎の技能レベルに依るものとなっています。弓が得意なソシアルナイトも、斧を使いこなすアーチャーも思い通りに作り上げる事ができます。ただし生徒達には得意不得意の適正が存在するので、得意な技能を伸ばしてあげた方がある程度は無理なく進められるでしょう。

さらに本作は、他学級から生徒を引き抜いて自学級の生徒にしてしまうという欲張りなシステムまで搭載。


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スカウトして自学級の生徒にしてしまえば、第二部で敵対する事にはなりませんので、かつての仲間に武器を向ける展開が待ち受けているのが心情的にキツい!という人も安心。

生徒指導の自由度と、このスカウトシステムにより、自軍の戦力をどのように育てていくか、といった計画立てがとても面白く、インターミッションの部分一つだけでも大変奥深いシミュレーションゲームになっているといって過言ではないでしょう。


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戦闘パートで仲間の成長に一喜一憂しながら、インターミッションパートで自軍戦力の育成方針を練り、自分だけの理想の軍団を育てていく。

圧倒的な自由度と奥深さを持つ育成パート。
シリーズ従来の面白さがしっかりと継承された戦闘パート。

複雑な人間模様が織りなす重厚なストーリー。

本作はSRPGの金字塔的作品である、長い歴史を持つファイアーエムブレムシリーズが辿り着いた、一つの偉大なる解答といえるのではないでしょうか。

この夏、ゲームで確かな手応えを感じたい方は、是非本作を手に取る事をオススメいたします。

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