へたれゲーム貴族

未知の世界への鍵(ゲーム)を手に。

もしもオタクの専門学校があったら・・・? パラレル歴史シリーズ3

うぐぅ
「あぅ~」

澄み切った朝の空に男達の声が木霊する。
リュックのポスターは飛び出さないように、紙袋にいれたコミケカタログは振り回さないように、ゆっくりと歩くのがここでのたしなみ。
もちろん、鯛焼きを食い逃げして走り去るなどといった、はしたない生徒など存在しない。

その名も特務機関OTAV(オタフ)。

もはや萌え産業は市場の一部を動かす底力を発揮している
老若男女問わず、気鋭溢れたオタク達を育成し、日々多様化していく萌え業界へと羽ばたかせるために設立された巨大学園だ

その規模、かの蓬莱学園に勝るとも劣らないとか全くそうでもないとか。


月曜日、朝礼の時間だ

各々の属性科別に並び、身長順に「萌えへ習え!」

校長(76)が壇上にあがり、幼馴染の同居について萌え論を展開した
校長「体は幼馴染で出来ている──髪はセミロングで家は近所───」
この校長、見た目とは裏腹に国家を一つ滅ぼした男らしく、極西日没の二つ名で恐れられている。
校長の話を隙のないブリッジを態勢で聞いた後は校歌の斉唱だ

「みなさ~ん元気ですかー?それでは早速、いってみよー!
 ハイ!1・2・3・○○○!(←自分の萌えキャラの名前を叫ぶ)」


教室に戻ると朝の授業がはじまる
今日の授業は一時限目から"曲がり角で美少女にぶつかる際の適切な角度の考察"というハードな授業だ。
それもそのはず、下手な角度でぶつかり美少女を殺してしまっては大変だ。
それこそオタクの沽券に関わるし、こんな事をしてしまっては監獄ディスペア送りで刑期100万年も当然たる処置といえよう。

ハードな授業を終えると待ちに待った食事の時間だ

学食には「かきコオロギ」「バナ納豆パン」などこれまた珍妙フードをお目にかかれる

ちなみに食堂に行くならカレーを注文するといい、
もしかしたらカレー好きな眼鏡の先輩と昼食をご一緒できる・・・という妄想を抱きながら食欲を満たすことが出来るだろう。

昼の授業が終わったら月曜日は自主訓練となる。
攻めてくる筈もない幻獣対策に各自鍛錬を積もう。
そうそう、朝でも昼でも放課後でも、二股をかけた彼女に刺された時の事を考えてお腹にジャ○プを入れておくのはデフォだよ!

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授業中、頭を抱えて絶望する男が一人いた

「俺、もう、今月で19歳なのに何やってるんだろう───」

しかし彼は躊躇いもなくブログの送信ボタンを押した


・・・(´・ω・)