へたれゲーム貴族

未知の世界への鍵(ゲーム)を手に。

雑多文章録311 取り留めの無い自分との対話

例えばだ。
気に入らない人格の人間がいたとして、
その人間は確かに愚かしいが、ある分野で影響力のある人間だったとしようか。
そういった場合、君はその人間と交流することを望むかな?


…場合によっては望むね。
僕が、その分野で大きな影響力を持つことを望むなら、
僕はその人物と交流し、ネットワークを広げるのを望むだろうね。
交流が自分に有益ならば、交流する他人の人格はおよその場合二の次だ。


それは君のプライドを害することにはならないのかな?
君にプライドというものがあれば、だが。


…そりゃあ僕にだって自尊感情はあるよ。
一定値じゃない、不安定なものだけど。
自分を卑下することは得意だが、慢心に浸る事もしょっちゅうだよ。


それはまた複雑なことで。
でも、どちらかといえば君は自分を劣等者として扱っている
場合が多いのではないかな。そういう風に見えるよ。


…コンプレックスは大きいからね。
理不尽だよ。クラスで委員会を決める時、僕よりも彼のほうが
クラスの人気者だから、という理由で僕はある委員の役職につけなかった事がある。
その役職をこなしたいという気持ちは彼に劣らないと自負していただけにね。
但しね、劣等者だからこそのプライドというものもあるんだよ。
不思議なものだね。劣等感から生まれる自尊感情は確かに存在している。


なら君は、自分が何かより優れるという事に関して
非常に飢えているのではないかい?


…その部分は少し入り組んでいるかもしれない。
僕は、何もかもいつだって他人より優れていたいとは思わない。
自分の努力とは埒外の分野…
そう、例えば生まれつきで他人から劣っていると見なされてきた部分。
僕なら顕著な例が身長だったね。
努力してもどうにもならない生まれつきの部分で、不当な扱いを受けてきたから
「何に対しても、劣っていて当然なんだな。それが自分なんだ」
という考えに至ったんだ。
この考えはあの頃から10数年経った今だって変わらないよ。
遠くで笑い声が聞こえると、ああ、自分のことを笑っているのかな
そういう強迫観念に今でも囚われているよ。
だから、僕は他人よりも優れようとそもそも思わないんだ。思えない。
だけどね、ああ、長い前置きだった。
「たまたま、人より何かに優れていた…もしくは、努力の末に勝った」
その時の達成感は脳天を貫くものがあるよ。
但し、現実感が沸かないけどね。
ああ、たまたま勝ったんだな…こういうこともあるんだな…と思ってしまうよ。


君は勝つことを素直に喜べないんだね。
君は勝ったとしても、心の中では常に敗者なのかな。


…誰かが勝ったということは誰かが負けたということだよね。
僕が負け続けていたから、皆は勝ち続けていた。僕より優れ続けていたんだ。
僕にとってはそれが当然のことだったから、敗北が不当なものでも悔しがりはしないよ。
但し、僕はマゾヒスティックな嗜好を好むわけではないよ。
環境がそうさせただけだからね。


本当なのかな?君は理不尽な扱いについて、確実に、怒りをむき出しにしているよ。
君は不当な世の中に対して、報復する心を、漠然とした復讐心を抱いているよ。
とても怖いね。何をしでかすかわからない人間と同じ心理だ。


…さあね。人間は時間が経てば変わるんじゃないかな。
正確には、その時間の中で色々なものに触れて価値観が変わったということだと思うけど。
僕は、鼠だよ。理不尽に対して噛み付く能力などないさ。
例え反逆したところでどうにもならないとどこかで思っているよ。


まぁ、でも実際に何かをしでかすのはやめてくれよね。
世の中に対する復讐だ、なんて10代の少年が犯罪の際に言うような言葉だよ。
精々、変な意味で勝利するという事に対して度を越えた悦楽を感じないようにね。


…心得ているよ。
ああ、少し疲れた。自分との対話って面白いね。
自分と対話しているわけだから、どのテーマも自己の内で完結するんだろうけど。


時に、君は自分への問いかけをこんな場所に掲載してしまっているけれど
周囲から変人扱いされることでも望んでいるのかい?


…誰だって変人のような、奇人のような部分は持ち合わせているよ。
たまたまこういう場でそういった部分を出してみようと思っただけさ。
何よりこの場は誰よりも自分が良く見ている。
そんな時に、自分との対話のログでも残しておけば後で読み返した時に
何か感じるものでもあるんじゃないかと思ってね。
特に深い意味なんてないよ。


うかい。じゃあまた、自分と対話したくなったらおいでよ。


…そうする。それじゃあ、次に問いかけるまではゆっくり休め、僕の半身。